大企業から流れてくる仕事を中堅企業が受け、中堅企業から流れてくる仕事を中小企業が受ける。大企業を小さくしたような組織が中堅企業にあり、さらにミニチュアにしたような組織が中小企業にある。かつての中小企業はシンプルだった。言われたことを言われた通りしっかりやれば成り立ってきた。
だが世の中は激変してしまった。長く続いたデフレと人口減少によるマーケットの縮小。それが企業の在り方を根本から変えてしまった。大量に作れば大量に売れて、大量の人が食べていける時代はもう終わり。現代の会社経営は過去と比較にならないくらい難しい。もはや違うスポーツをしているようだ。
まず安くなければ売れないし、安くても欲しくないものは買わない。ものが溢れる一方で人口は減り続け、円安と人不足によって物価は上がり続け、しかも手取り収入は減り続けている。普通に商売しているだけではもうモノが売れないのである。大企業は生き残りを賭けビジネスモデルを変えようとしている。
不要な人材は極限まで削り、マーケットをできるだけ独占し、必要な現場人材は直接抱え、安定した高収益事業を作り出そうとしている。この事業の下請けやミニチュア・バージョンで中小企業が生き残っていくことは不可能だろう。大企業も難しいが、中小企業の経営はさらに難しいものになっていく。
発注に合わせて納品する。ビジネスに合わせて人を集め管理していく。このモデルは完全に崩壊すると予想する。まず利益が出ない。巨大マーケットの一端を担う仕事はとにかく価格勝負だ。だが中小企業には価格で勝負できるだけの体力がない。管理コストを抑えたくても人件費の高騰で抑えようがない。
流れてくる仕事に合わせて人を集める。管理コストを抑えて利益を出す。このビジネスモデルは中小企業ではもう成り立たない。まず人が集まらない。無理やり集めても利益が出ない。ではどうすればいいのか。仕事に人を合わせるのではなく人に仕事を合わせる。これ以外に方法はないと思う。
一人ひとりの特徴と能力を見極め、その人にしか出せない価値を生み出していく。生み出された価値を組み合わせて新たな商品を作る。新たな商品によって独自の市場を開拓する。つまり下請けとは真逆の発想が必要なのである。求められるのは管理ではなくクリエイティブ。中小企業の経営はとにかく難しい。
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