この記事について 税金や、助成金、労働法など。法律や規制は、いつの間にか変わっていきます。でもそれは社会的要請などではないのです。そこには明確な意図があります。誰が、どのような意図を持って、ルールを書き換えようとしているのか。意図を読み解けば、未来が見えてきます。
安田
名古屋は豪雨で大変でしたね。久野さんは大丈夫でしたか?
久野
私は大丈夫だったんですけど、雨で従業員が事務所に閉じ込められたりして。クライアントからも災害対策への相談が増えてます。
安田
会社がどこまで準備するかって難しいところですよね。
久野
そうなんですよ。全従業員の防災グッズを用意するとなると、結構大変で。コストもさることながら置き場所の確保もしなくちゃいけない。
安田
久野
防災グッズって結構高いんですよ。バッテリーとか、ヘルメットとか、懐中電灯とか。際限なく必要なものが出てくる。それを人数分揃えるのって大変なんです。
安田
でも日本は昔から災害大国じゃないですか。地震もあるし、台風も来るし。別に今に始まったことじゃない気がするんですけど。昔はどうしてたんですか?
久野
安田
久野
とはいえ放っておけないじゃないですか。仕事中になにか起きる可能性もあるし。
安田
災害の時は早めに返すとか、休みにするとか。そっちの方が大事な気がします。地震はともかく台風や大雨は予報でわかるじゃないですか。
久野
そうですね。大雨や台風の時は来させないことが必要ですね。
安田
久野
今は帰らせるタイミングを間違うと会社の安全配慮義務違反になるので。
安田
久野
「早く帰れ」と言って帰りに何かあると問題になるし。極力、状況が分かるまで待機した方がいいんです。会社に来てしまった場合は。
安田
久野
安田
寝袋まで人数分用意していたら大変なことになりますね。場所も確保しなくちゃいけないし。
久野
そうなんですよ。そもそも何人分まで準備しとくのか、難しい。
安田
久野
そこも難しくて。よく言われるのは3日分ぐらい用意しろと。
安田
つまり社員数の3倍も用意しておかなくちゃいけない。そんなこと可能なんですかね。
久野
大企業はやってますね。ただ中小企業にそこまで徹底するのは難しいと思います。
安田
久野
避難訓練もちゃんとやっていますし。そういうのも含めて企業の力でしょうね。
安田
災害とはちょっと違うかもしれませんが、風邪への対応も変わってきました。それこそ昔は「這ってでも来い」という感じでしたけど。
久野
今はそもそも本人が来ないです。ちょっとでも風邪っぽかったら休みますね。
安田
久野
はい。就業当日までに連絡して「やむを得ない場合は有給にできる」という規則になっているはずです。
安田
久野
そうですね。そういうのも含めて雇用コストをしっかり考えなきゃいけないです。
安田
そこまでやっても利益が出る事業じゃないと。もう無理ってことでしょうね。
久野
やっぱり大企業は余裕がありますよ。オフィスにも余裕があるし、資金的にも余裕がある。
安田
久野
安田
積極採用している社長さんに聞くと「初任給30万円、年間5%昇給」は「最低限やらなくちゃといけない」と言ってました。
久野
そうですね。30万ぐらいは払わないと。まともな人が来ないですよ。
安田
そこに今回のような災害対策まで含めて準備をして。それでも利益が出るビジネスじゃないと、もう人を雇っちゃいけないんでしょうね。
久野
そうですね。ただ30万円払っても30万円の仕事ができるわけじゃないんですけど。
安田
私は自信ないですね。新人に30万円も払って、どうやって回収するんだろうと。
久野
そこが「高い」と感じるようではもうダメなんでしょう。高いと感じる人はもう人を雇ってはいけないんですよ。
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安田佳生 (やすだ よしお) 1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。