有名人には、有名税というものが付きまとってくる。
有名人であるが故のデメリット。
街に出るとサインや握手をせがまれたり、
テレビや雑誌の記者やカメラマンに追いかけられたり。
プライベートがなく、常に模範的な態度を要求され、
何かちょっとしたことで叩きまくられる。
スマホ時代の有名税は
これまでと比較にならないぐらいに高いのだ。
にも関わらず、有名人になりたがる人は後を絶たない。
それはもちろん、デメリットを上回るだけの
メリットがあるからだ。
一般人よりも収入が多いのはもちろんのこと、
多くの人から一目置かれ、お店では優遇され、
様々なシーンで特別扱いされる。
社会的な信用も大きく固定ファンも多いため、
人を集める力もお金を集める力も、圧倒的なのである。
メリットがあるところには必ずデメリットもある。
これは致し方のないことなのだと思う。
とくにネットとスマホが
これだけ普及した現代社会においては。
たとえばSNSへの参加。
それを実名で行うかどうか。
リアルな情報をどこまで提示するのか。
自分の本心やマイナス情報をどこまでさらけ出すのか。
そこには大きなリスクが潜んでいる。
だがそれを上回るだけのメリットがあることも確かだ。
そしてそのメリットはどんどん拡大して行く。
本名で発信する、裏表なく本音で語る、
弱音をさらけ出せる。
そういう人の信頼はどんどん上昇していくだろう。
ハンドルネームで発信する人、
企業名や広報名で発信するアカウントへの興味は、
どんどん低下していく。
これがスマホ社会での大きな流れ。
企業という顔のないアカウントよりも、
個人というリアルなアカウントの方が信頼され、
そこに人が集まってくる時代。
その時、経営者はどう行動するのか。
多くの社長はFacebookのような
閉じられた身内への発信を好む。
つまらない情報も、自慢話も、
仲間なら温かくフォローしてくれるから。
ツイッターやブログを本名でやれば、
誰にどう叩かれるか分からない。
顔の見えないフォロワーは、
つまらない情報をスルーし、自慢話を容赦なく叩く。
そこでは社長という肩書きは何の力も発揮しない。
デメリットは大きい。
だがそれを受け止めない限り
メリットを享受することもできない。
この人と働きたい、この人の役に立ちたい、
この人に仕事を頼みたい。
多くのフォロワーを持つ社長と、
身内以外のフォロワーを持たない社長。
その明暗が分かれる時が近づいている。
尚、メールマガジンでは、コラムと同じテーマで、
より安田の人柄がにじみ出たエッセイ「ところで話は変わりますが…」や、
ミニコラム「本日の境目」を配信しています。
毎週水曜日配信の安田佳生メールマガジンは、以下よりご登録ください。