199通目/安田からの返信 「だって人間だもの」
すれ違いもここまで来れば清々しいです。きっとこのやり取りは世の中の縮図なのでしょうね。お互いに悪気がない。どちらかというと相手をリスペクトしてる。それなりの人生経験を重ねているし、ちゃんと考えながら生きている。それでもすれ違う。価値観とは本来このようなものなのかもしれません。宗教戦争が起こるのも、国や民族間の諍いが絶えないのも、根っこを辿れば価値観の違いなのでしょう。もうここは認め合いましょう。お互いが正しいのだと。すれ違っていてもいいのだと。分かり合えないということを分かり合う。きっと人類にいちばん欠けているのはそこなのです。相手を説得しようとすればするほど、自説が正しいことを主張すればするほど、どんどん溝は開いていきます。納得はいかない。でもそれでいいんじゃないでしょうか。だって人間だもの。
前回198通目/大野「あなたにはその能力がないという無自覚の見立て」
赤ちゃんは大人が頑張れなんて言わなくったって、何度も歩こうとします。勿論、無理するななんて言っても効き目がありません。仮にちょっとぶつけて血が出ても、生命は血を止めようと働き出す。これが本然的な人間の生命活動、即ち生活です。つまり、生きようとする。成し遂げようとする。だから、あえて問いたい。本当に誰の声なのか分からないのでしょうか?また、できないのは自分の問題の意味する所は、誰もが乗り越える力を持っているという場所に立っているのか?の違いではないのか。あなたにはその能力がないという無自覚の見立て、見下しをどこか大人がしているから、バランスを取る事が必要なんて考えが出てくるのではないでしょうか。
ー大野より
前々回197通目/安田「ほんとその通り」
自分の心の声に従えばいい。ほんとその通りなんですよ。だけどそれができないから、みんな苦労してるわけです。ではなぜ自分の声が聞こえないのか。それは聞こえなくなるような環境で育っているからです。これはもう本人の責任ではない。心の声が「がんばれ」と言うなら頑張ればいいし、「がんばらなくていい」と言うなら頑張らなくてもいい。だけどそれができない。自分の声だか誰の声だか分からない声で「もっとがんばれ」と言われているように感じるから。やればできる。努力は報われる。できないのは自分の問題である。この価値観があまりにも強い。だからバランスを取るために「そんなことないよ」と思えるストーリーが必要なのです。
ー安田佳生より
交換日記をする二人
安田佳生(やすだ よしお) 1965年生まれ、大阪府出身。 2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。
●金曜日
大野栄一(おおの えいいち) 株式会社一番大切なこと 代表取締役 https://ichibantaisetsunakoto. com https://www.sugoikaigi.jp/coach/eiichiono/