赤い出口、青い出口 第25回「目減りする資産でビジネスを!」

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自覚して生きている人は少ないですが、人生には必ず終わりがやってきます。人生だけではありません。会社にも経営にも必ず終わりはやって来ます。でもそれは不幸なことではありません。不幸なのは終わりがないと信じていること。その結果、想定外の終わりがやって来て、予期せぬ不幸に襲われてしまうのです。どのような終わりを受け入れるのか。終わりに向き合っている人には青い出口が待っています。終わりに向き合えない人には赤い出口が待っています。人生も会社も経営も、終わりから逆算することが何よりも大切なのです。いろんな実例を踏まえながら、そのお話をさせていただきましょう。

第25回 目減りする資産でビジネスを!

【3年使えば資産になる】

「トラックは金融資産」という連載を持っているのですが、これは10年働いたヨシノ自動車さんで、リースの仕事で気づいたことをもとにコラムにしています。

トラック輸送の業界では、「3年乗ったらトラックが資産になる」と言われています。
トラックを購入するときは、通常5年ローンを組むのですが、3年仕事をするとトラックの再販価格がローン残債を超えるというのです。
つまり、仕事がなくなってもトラックを売れば、手元にお金が残るということを意味します。

「トラックを3年動かせば、輸送収入とは別にトラックが含み資産になる」
これはおおよそ正しいのですが、ずっと正しいわけではありません。
というのは、走れば走るほどトラックは劣化していくので、再販価値が下がっていくからです。

【5年使えば資産が減る】

実は同じ5年ローンを組んでいても、4年後に車両を入れ替えるのと、ローンの返済終了を待ってから、車両を入れ替えるのでは、前者の方がコスト的に得をすることがわかってきました。
なぜなら、5年ローンを終了したトラックをみんなで売りに出すと、同じ状況のトラックが市場にあふれていきます。トラックの再販価格は、需要と供給の影響を大きく受けるので、価値が落ちてしまうのです。

トラックを5年使うと資産が目減りしてしまうカラクリです。

一方で変動しないものもあります。支払う車両コストは変わらないのです。供給される新車の金額は大きくは変わらないので、車両を新車にしても、毎月支払うコストはあまり変わりません。
というわけで、4年でトラックを入れ替え、グルグル回転させれば、コストの削減になるのです。


【住宅で新規事業を考える】

このコラムのテーマでもあるのですが、今まで私たちが疑問を持たなかった「期間」というものに焦点をあてると、新しいビジネスができそうです。

例えば、マンションや一戸建てなどの住宅。
土地の価格は変動しますが、建物部分の価値は目減りするだけです。
おそらく、トラックと同じで、35年の長い期間、経年劣化で毎年一定の価値下落があるわけではないはずです。
長年売買実績を積み上げてきた会社であるならば、土地の値下がり値上がりということとは別に、マンションや一戸建ての「建物部分」についての劣化や評価の傾向は、ある程度データ化できるのではないでしょうか。
築何年で売るのが良いのかは、導き出せそうな気がします。

木造建築なら築18年が人気。
鉄筋コンクリートなら築27年で販売するのが良い。
7年住むならこの物件が価値が落ちない。
15年住むならあの物件を購入するとお得。

そんな「住み替えコンサルティング」として、35年よりも短い期間で住宅ローンの出口をつくるビジネスはあってもいいような気がします。

 


- 著者自己紹介 -

人材会社、ソフトウェア会社、事業会社(トラック会社)と渡り歩き、営業、WEBマーケティング、商品開発と何でも屋さんとして働きました。独立後も、それぞれの会社の、新しい顧客を創り出す仕事をしています。
「自分が商売できないのに、人の商品が売れるはずがない。」と勝手に思い込んで、モロッコから美容オイルを商品化し販売しています。<https://aniajapan.com/>
売ったり買ったり、貸したり借りたり。所有者や利用者の「出口」と「入口」を繰り返して、商材を有効活用していく。そんな新規マーケットの創造をしていきたいと思っています。

出口にこだわるマーケター
松尾聡史

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