第91回 今、南の島に行こう!

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自覚して生きている人は少ないですが、人生には必ず終わりがやってきます。人生だけではありません。会社にも経営にも必ず終わりはやって来ます。でもそれは不幸なことではありません。不幸なのは終わりがないと信じていること。その結果、想定外の終わりがやって来て、予期せぬ不幸に襲われてしまうのです。どのような終わりを受け入れるのか。終わりに向き合っている人には青い出口が待っています。終わりに向き合えない人には赤い出口が待っています。人生も会社も経営も、終わりから逆算することが何よりも大切なのです。いろんな実例を踏まえながら、そのお話をさせていただきましょう。

QOL(Quality Of Life)という言葉をちらほら聞きます。
もともとは医療や福祉の分野の言葉だそうですが、
だんだんと一般化していて、
物質的、精神的、社会的に満ち足りているか、
ざっくりいうと人生を謳歌しているか、
という概念になりつつあるようです。

QOLを高めようという考え方は、
私は海外で生活をしたときに、
周りの外国人から教えてもらいました。
いま踊らなくていつ踊るの?
いま歌わなくていつ歌うの?
いま南の島にいかないと、
歳をとってから行ってもおもしろくないよ。
そんなことを不思議そうに言われました。

彼らは仕事やプライベートあまり関係なく、
バーベキューの買い出ししている途中で
自分の商品を営業したり、
商談で盛り上がれば、そのままスポーツ観戦したりと、
日本の会社員からすると、
「上司に許可をもらいます!」
なんて言ってしまいそうな、
そんな行動をしていました。

日本にいると、ルールを守れとか、
将来の事を考えていないとか、
自分勝手な行動とか言われてしまいそうです。
彼らにとっては、自分の心身が満ち足りつづけると、
結果として人生が豊かになると考えているので、
QOLを上げることが一番の優先事項なのです。

そんな日本にも、若い人から、
自分自身のQOLを高める兆しが出てきたように感じます。
YouTubeで大人が楽しく遊ぶ動画が人気だったり、
趣味を副業とする人が増えたり、
夜景が見える高層マンションが値上がりしたり、
知らずしらずのうちに
QOLを高めようとしているようです。

一言でQOLといっても、
人によって満ち足りることは違います。
遺跡の研究に没頭することが
人生の原動力となっていたり、
美味しいものを食べ歩くことが至高の喜び
と感じる方もいるのです。
共通するのは、
限りある人生の時間をどう過ごすのか?
という問いに自分で答え、
納得しているということです。

医者になって収入を増やすだとか、
出世すると能力が高くみられるとか、
他人の評価を期待するのではなく、
納得して自身の満足、心地よさを追い求める。
そんな生活スタイルが求められているのです。

昭和の企業戦士の共通の夢は、
「引退したら南の島に移住してゆっくりしたい」
だったそうです。(私もわかります。)
みんなの夢だったのに、
引退して南の島でゆっくりしている人なんて、
あんまりいません。
なぜなら引退したときは、
南の島への憧れなんてなくなっているのですから。

 

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- 著者自己紹介 -

人材会社、ソフトウェア会社、事業会社(トラック会社)と渡り歩き、営業、WEBマーケティング、商品開発と何でも屋さんとして働きました。独立後も、それぞれの会社の、新しい顧客を創り出す仕事をしています。
「自分が商売できないのに、人の商品が売れるはずがない。」と勝手に思い込んで、モロッコから美容オイルを商品化し販売しています。<https://aniajapan.com/>
売ったり買ったり、貸したり借りたり。所有者や利用者の「出口」と「入口」を繰り返して、商材を有効活用していく。そんな新規マーケットの創造をしていきたいと思っています。

出口にこだわるマーケター
松尾聡史

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