【vol.156】シリーズコロナ後の世界(No.7)貸別荘とワーケーション

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


引き続き「シリーズ コロナ後の世界(No.7)」です。

HOFFMAN YORKというクリエイティブとコンサルの会社のHPに良い分析記事が出ていたので、それを紹介します。

今回の記事はこれ

HOW WILL THE PANDEMIC CHANGE CONSUMER BEHAVIORS IN 2021?
2021年、パンデミックは消費者行動をどの様に変えるのか?
https://hoffmanyork.com/news/how-will-pandemic-change-consumer-behaviors-2021

パンデミック以後の2021年、消費者の行動がどの様に変わるのか?
という観点で下記の5つのprediction(予測)が論じられていてそれぞれ興味深い内容なので、全て紹介します。

Prediction 1: Higher education should expect multiple sources of disruption
Prediction 2: Consumers will shop online more than they did pre-pandemic
Prediction 3: Traveling will resume, but will look different for the Interim
Prediction 4: “Vacations” will transition to extended periods of “work remotely elsewhere”
Prediction 5: Remote work will coexist with regular office work, meaning home renovations will soar

先週からの引き続きとなります。

Prediction 4を見ていきます。

Prediction 4:“Vacations” will transition to extended periods of “work remotely elsewhere”
“休暇”は”リモートワーク”の延長線上へと移行していく

In some cases, travelers may book a vacation rental (like Airbnb or VRBO) for upwards of four weeks, choosing to continue to work while shifting hours to accommodate travel. The potential for these travelers may disrupt the model for hotels as vacation rentals have the flexibility to quickly negotiate weekly or monthly rates as they have lower overhead costs.

旅行者が休暇用に4週間にも渡って貸し別荘を予約し、その旅行に対応するために働く時間をシフトしつつ(旅行中に)仕事を続けるという選択するケースが増えるでしょう。

日本語訳が下手くそすぎてすみません…涙

要は、休みをとって貸別荘を長期間借りて、そこで休暇中に仕事もするケースが増える、という予測です。

The potential for these travelers may disrupt the model for hotels as vacation rentals have the flexibility to quickly negotiate weekly or monthly rates as they have lower overhead costs.

こうした旅行者が潜在的に多くいることで、ホテルにとっては従来のビジネスモデルが崩壊しかねません。何故なら、貸し別荘は人件費が小さいので、週単位とか月単位の価格交渉に素早く応じられるからです。(→ホテルは融通効かせにくい)

先週の「Prediction 3: Traveling will resume, but will look different for the Interim」と合わせて論点を整理すると、ざっくり下記のようになると思います。

コロナ後に旅行需要は戻る(過去最高を記録するだろう)

都心エリアではない「どこか」の需要が増える

その「どこか」で、リモートワークをしながら休暇を同時並行的に楽しむ人たちが増える

エアビーなどで「貸別荘」を提供し、期間や価格を柔軟に対応している宿泊提供者がニーズをうまくとらえる

ホテルはビジネスモデル上、この戦いには苦戦する(モデル崩壊の危機になる)

こうして、エアビーはコロナ後も「繁栄」する一方で、コロナで予定が狂ったホテルは「崩壊」しかねない、という物語が現実のものとなっていくでしょう。

ホテル側の打ち手としては「長期滞在プランを安く提供する」という発想になりがちですね。多分今後こうした「長期滞在してビジネス用にホテルを活用してくださいね」的なオファーが増えるでしょう。
人件費率が高いホテルのビジネスモデル的には、この戦いは「人件費カット」という血の流れる戦いになりますね。。。
いや〜、業界的にはゾッとする話ですね。。

そして、地方部の良い「貸別荘」を長期活用して、バケーションとリモートワークを優雅に併用する新しい形のライフスタイルが増えていくでしょう。
試しにエアビーで調べてみましたが、安くていい貸別荘、たくさんあります。

ということで、最後に「いつか役に立つかも英単語」として、今後の注目度に期待してvacation rentalを取り上げて、終わりにします。

vacation rental(バケーションレンタル):貸別荘 貸コンドミニアム 貸一軒家

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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