【vol.181】「パンデミック後の世界」一体感

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


「パンデミック後の世界」についてのForbesの記事を読み込んでいます。

今回の記事はこれ

7 Trends For Adapting To A Post-Pandemic World
パンデミック後の世界が順応すべき7つのトレンド
https://www.forbes.com/sites/forbesagencycouncil/2021/07/07/7-trends-for-adapting-to-apost-pandemic-world/?sh=688f5c364a4f

パンデミック後に向けて世界の基本的なトレンドは下記の7つのポイントで整理されます。

・The Wellness-First Workplace
・Brand Stands Or Purpose-Washing?
・Brand Bonding Experience
・Upskilling Vs. Hoarding
・Hyper-Local Future And Hygienic Demands
・Isolation Yields Togetherness
・Zero Waste As The New Necessary

今週はこれです。

Isolation Yields Togetherness
孤立は一体感を生み出す

The most missed in-person activities during the pandemic were social gatherings: only 40% of Americans planned to gather during the holidays in 2020 prior to the vaccine rollout.

パンデミックの間に最も減少した「対面活動」は、人を集めての「懇親会」でした。ワクチンのrollout(導入)前には、休暇中に「集まる」ことを予定した人は(わずか)40%にとどまりました。

おそらく私達日本人が考えている以上に「休暇中に皆で集まること」って欧米の人にとってはbeforeコロナでは「当たり前」の習慣だったのだと思います。
なので「集まれないこと」は、すなはち「Isolation (孤立)」という捉え方になってしまうのでしょう。

Physical togetherness has become our most precious resource, and the desire to create memories creates an opening for brands to help facilitate shared experiences.

物理的な一体感は、今や、私達にとって最も貴重なリソースになりました。良い思い出を作りたいという人々の熱望が、ブランドが顧客に共有体験を提供する糸口になるのです。

意訳が相変わらず下手ですみません。。。
要するに下記のことが言いたいのだと思います。

・パンデミックによって「孤立感」が増大した
・「一体感」がこれほどまでに貴重なものだと思い知らされた
・ブランドが提供すべきは顧客が「一体感」の味わう手伝いをすることだ

パンデミックで増大してしまった「孤立感」の反作用として「一体感」の希少性(Value)が向上しているわけです。
こうした現状を踏まえると、ブランドの役割とは
『顧客が何かしらの一体感(=希少価値=付加価値)を体感出来るような仕組みや仕掛けを提供すること』
という感じでしょうか。

各ブランドが
『私達の顧客が「一体感」を感じられるように、私達のブランドは●●という仕組みを持っています(●●というしくみで一体感を体験できます)』
というブランドステートメントを表明し合う感じです。
そして、そのステートメントの中の●●の部分を「奪い合う」というのが、各マーケットカテゴリごとの「競争テーマ」になるのでしょう。

最近話題のプロセスエコノミー系の話に繋がりますね。
TVを通じて「アイドル」とか「タレント」の育成状況を、視聴者が「一体感を持って(孤立せずに)」共有できるフォーマットを開発した番組(ブランド)が、視聴者(顧客)からの支持を獲得できる。
そんな世の中へのシフトが起こっているわけですね。
これが、恒久的なパダライムシフトなのか、ただのブームなのか。注目です。

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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