「遊んでいるかのように働きたい」をモットーに、毎日アロハシャツ姿で働く“アロハ美容師”こと岩上巧さん。自身が経営するヘアサロン「mahaloco(マハロコ)」には、岩上さんしか実現できない<ココロオドル髪型>を求め多くのお客様が訪れます。その卓越したビジネスセンスの秘密に、ブランディングの専門家・安田佳生が迫る対談企画です。
第36回 顧客流出を食い止めるカギは、ハウオリ?
『ハウオリ』について知れば知るほど、単なる「髪質改善」ではないんだろうと感じます。お客さんの立場からするときっと「人生改善」とか「運命改善」に近いものがあるんじゃないかなと。
そうですね。実際劇的な効果を感じてくださるお客様が多くて、集客にコストをかけなくても「ハウオリをやりたい」とお問い合わせいただけるようになりました。
やっぱりそうですか。そもそも『マハロコ』はリピーターさんが多いって仰っていましたけど、ハウオリの登場でさらにそれが進んだわけですね。
ありがたいことに。ちなみに話がそれますが、30年前のデータによると「1人が生涯に利用する美容室は平均15軒」だったそうなんです。
ほう。30年前というと、今ほどネットもSNSも発展していなかった頃ですよね? それで15軒というのは割と多い気がしますね。
そうそう。ポストに入っていたチラシだったり、友達からの口コミだったりで美容室を決めていたような時代です。それで平均15軒なので、意外と多いですよね。
ええ。でも、ということは、今の時代は15軒どころじゃないんじゃ…。
まさにそうなんです。今の生涯平均利用数は、50軒は超えているんじゃないかな。いろんなお店の情報に簡単にアクセスできるようになったことで「1つの美容室に長く通い続ける」というカルチャーが薄れてきていると思っていて。
50軒か…確かにそれくらいはいってそうですね。でも皆さん、どういうタイミングでお店を変えようと思うんでしょうかね? 私なんて同じ美容室に通い続ける方が楽でいいですけど(笑)。
それはもういろんなケースがあると思いますよ。中には「毎回違う美容院がいい」という人もいるでしょうしね。ただ個人的に思うのは、「お客様の関心事の変化に美容師が気づけていない」という課題が背景にある気がして。
ふーむ。お客さんの変化に気づけていないと。でもそれがなぜ「顧客流出」につながるんでしょう?
例えば僕は毎朝サーフィンをしていますが、毎日同じ場所で同じ海に入っていても、1日として同じ日はないわけですよ。波の大きさも変わればうねり方も風向きも変わる。そうやって毎回違うからこそ「面白い」わけですよね。
確かに毎回同じことを繰り返すだけだったら、すぐにつまらなくなっちゃいますよ(笑)。
ですよね。それは美容室にいらっしゃるお客様も同じなんです。長く通っているお店で毎回同じように扱われていたら、どんな気持ちになると思います?
ああ…きっとその美容室に通うことに新鮮味が感じられなくなって、そのうち飽きてしまうでしょうね。…だから別のお店に行ってしまうというわけですね。
仰るとおりです。それを防ぐためにも美容師はお客様の「今の関心事」への解像度を上げていかなくてはいけない。例えば若い時には髪色や髪型に興味があっても、年齢を重ねていくうちに抜け毛やボリュームの方が気になってくる。そういう変化を敏感に察知する必要があるんです。
なるほどなぁ。常連さんだからといって、いつまでも同じような提案をしていたらダメだというわけですね。
そうですそうです。その点『ハウオリ』は髪質だけでなくて頭皮にも直接アプローチできるので、それこそ10代から60代、70代と幅広い年齢層の方にご提案しやすい技術なんですよね。
なるほど〜。ちなみにお客さんの「変化」に気づくためにはどうするんですか? やはり大切なのはカウンセリングですか?
施術前のカウンセリングに限らず、施術中にもしっかりコミュニケーションを取ることができれば、「今の情報」は自然と引き出せるんです。そこを逃さないことが大事だと思いますね。
やはりそこなんですね。そもそも人生の中で「やりたいこと」や「好み」が変わっていくのは当然で。岩上さんはその変化に合わせた提案をされるのがお上手なんでしょうね。
ありがとうございます。そういえば昨日、すごく久しぶりに新規のお客様を担当したんですが、施術前のカウンセリングだけで、優に1時間は超えました(笑)。
笑。そんなにじっくり時間をかけて髪の悩みを聞いてくれたら、お客さんとしても嬉しいでしょうね。
その方は最初「だいたい2万円くらいの予算で考えている」と仰っていたんですが、「お困りごとを全部解決するにはこれくらいのお見積りです」とご提案したら「じゃあそれで」と、6万6000円のチケットをご購入されていきました。
え、初回の来店でそんなに高額のお支払いをしてくれたんですか? すごい(笑)。
はい。どこに価値を感じていただけたのかなと考えると、やっぱり最初の1時間のカウンセリングが大きかったんだと思います。「しばらくここに通ってみよう」と考えてもらえたというか。
なるほどなるほど。きっとマハロコには「しばらく」どころか、「自分は一生ここに通おう」と決めているお客さんも大勢いるんでしょうね。
そうだとしたらありがたいことです。「チケット制度」も、ある意味「未来」に対してチャージしてくれているんだろうなと思いますし。
ちなみに昨日のお客さんの施術後は、どんな様子でした?
いいですね~。女性の若々しさって髪型に相当影響されますもんね。きっとそのお客さんも仕上がりをみて「マハロコに一生通おう」と決められたと思いますよ!
対談している二人
岩上 巧(いわかみ たくみ)
アロハ美容師/頭髪改善特許技術発明者/パーソナルブランディングプロデューサー/株式会社 OHANA 代表
美容専門学校卒業後、都内のサロンに就職するも、オーナーと価値観の違いから大喧嘩し即クビに。出身地である水戸に戻り実家の美容室で勤務しながら技術を磨き、2008年自身のヘアサロン「mahaloco(マハロコ) 」をオープン。結婚式のプロデュースやイベント企画なども行うパーソナルブランディングプロデュースサロンとして人気を博す。2014 年、髪質改善技術「美髪矯正 hauoli®(2021 年特許取得)」を開発。「まるでハワイで暮らしているように」をテーマに、毎日アロハシャツを着、家族・仲間・お客様と共にハワイアンライフを満喫中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。