このコンテンツについて
なぜこんなツマラナイものにこだわるのだろう。そういう「ちょっと変わった人」っていますよね。市川さんはまさにそういう人。でもそういう人が今の時代にはとても大事。なぜなら一見ビジネスになんの関係もなさそうな、絶対にお金にならなそうなものが、価値を生み出す時代だから。凝り固まった自分の頭をほぐすために、ぜひ一度(騙されたと思って)市川ワールドへ足を踏み入れてみてください。
「あなたの、御社の『役割』は何だろう?」
ランチに行ったとき、サービスでコーヒーが付いてきました。
「へぇ、コーヒー付いてくるんだね、ラッキー♪」そんな気持ちになりますよね。
その様子を見た店主は、「喜んでいただいている!よし、もっと良いコーヒーを出すぞ!」と、より良い豆を使い、手間暇かけてコーヒーを煎れ始める。
これは良いことなのでしょうか?
自分たちの仕事において、「お客様に喜ばれているから」と一生懸命になる気持ちは素晴らしいことかもしれません。
その思いが強すぎて、ときに、「こんなに喜ばれているのに、なぜ皆はこれをやらないのだ!?」と、同僚や会社に対して苛立ちをおぼえることもあるかもしれません。
でも、冒頭のケースと同じように「(コーヒーが)無料だから」喜ばれている可能性もありますよね。
例えば、コーヒーを一杯500円にしたら、ランチの後に注文するのでしょうか?
そこまでして、ランチの後に、その飲食店でコーヒーを飲もうとは思わない。
500円払って飲むなら、喫茶店やカフェでゆっくり飲みたい。
そう思うのではないでしょうか?
私たちがランチを食べに行く飲食店に役割を求めるとしたら、それは「ランチを提供する」ことなわけです。
私達顧客が求めている役割に「コーヒーの提供」はありません。
ですから、そこに力を入れられても困っちゃうわけです。
「そんなことするくらいなら、まずランチを更に美味しくして欲しい」「安くして欲しい」と言いたくなるかもしれません。
現在、会社が社会に求められている役割はなにか?
将来、会社の成長と共にその役割はどう変化していくのか?
会社員であれば、自分自身が会社、お客様に求められている役割はなにか?ということですね。
そんな視点を持つことって大事ですよ。
無料のコーヒーから、500円を払ってコーヒーの注文が入るようになったとき、そのお店の役割は変わってきたということです。
前述で役割の例えに、「ランチを提供する」と簡潔に表現しましたが、「ヘルシーなランチを提供する」「腹いっぱいになるボリュームのランチを提供する」「ワンコインで食べられるランチを提供する」「新鮮な魚を使ったランチを提供する」など、ランチ一つとってもその役割は多岐にわたりますよね。
「強み」を考えるのではなく、求められている「役割」と考えてみると客観的に見ることができますし、本当の競合も見えてきて、差別化のヒントが見つかるかもしれませんよ。
著者/市川 厚(いちかわ あつし)
株式会社ライオンハート 代表取締役会長
https://www.lionheart.co.jp/
LH&creatives Inc.(フィリピン法人) CEO
https://lionheart.asia/
<経歴>
三重県の陶芸家の家に生まれる。
(僕が継がなかったので、父の代で終焉を迎えることになる…)
大学時代、遅めの中二病を発症。経済学部に入ったのに、何を思ったか「ファッションデザイナーになるんや!」と思い立ち、大学を中退。アパレル企業に就職。
ところが、現実は甘くなく、全く使えない僕に業を煮やした社長から、「Webサイト作れないとクビだからな!」と言われ、泣く(T_T)パソコンの電源の付け方も知らなかったけど、気合でWebサイト制作を習得。しかし、実際のところは、言い訳ばかりで全く成長できず・・・怒られて、毎日泣く(T_T)そんな頃、「デザインにも色々ある」と改めて気づいて、広告業界へ転職、広告制作会社のデザイナーとしてのキャリアをスタート。
「今度は言い訳をしない!」と決めて仕事に没頭し、四六時中仕事していたら、黒目がめくれ上がってきて、眼科医から「失明するよ」と言われ、ビビる。2004年勤務先で出会った同僚や友人を誘って起業、有限会社ライオンハートを設立(現 株式会社ライオンハート)。ところが、創業メンバーとあっさり分裂、人間不信に。残ったメンバーと再スタート。
2014年、設立10周年を機に、創業メンバーで唯一残っていた人間を日本法人の社長にし、自身は会長になり動きやすい状態を創る。この頃からブランディングエージェンシーを名乗り始める。
2016年、フィリピン(マニラ)にITアウトソーシング企業(LH&creatives Inc.)を設立。設立準備期間から家族とともに移り住み、フィリピンで3年半を過ごす。
フィリピン人マネジメントを通して、猜疑心の塊になり、性悪説に変わる。
2019年6月、日本に帰国し、日本法人のマネジメントに復帰。社内コミュニケーションを充実させるために席替えしたり、誰も掃除しない椅子をきれいにしたり、「眠いときはしゃべった方が良いよねッ」ってスタッフに話しかけながら仕事をするなど、独自のインナー・ブランディングの理論を実験していたところ、会社の調子が上がった。そもそもブランディングってなんだ?と思っていたところに、BFIの安田さんと出会い、勝手にご縁を感じてコンサルを受けてみる。そしたら安田さんに誘われ、2020年、anote konoteに参加することに。