オンライン資格確認の原則義務化にどう対応する?〜お医者さんは、なやんでる。 第120回〜

第120回 「オンライン資格確認の原則義務化にどう対応する?」

お医者さん
お医者さん
え、ちょっと待って、オンライン資格確認が原則義務化? 病院側も対応しなきゃいけないって?
お医者さん
お医者さん
おいおい……ただでさえ経営が苦しいのに、余計な出費が……
お困りのようですね、先生
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
そりゃ困るよ……現場の意見も聞かずに勝手に決めて……って、あなたは一体?
はじめまして。ドクターアバターの絹川と申します。お医者さんの様々な相談に乗りながら、「アバター(分身)」としてお手伝いをしている者です。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ドクターアバター?ふうん。ちなみにあたなはこの件、知っているの?
もちろんです。いま医療業界では話題になっていますからね。先生もご存知だとは思いますが、オンライン資格確認はマイナンバーカードと保険証を統合し、マイナンバーカードを顔認証カードリーダにかざすことで保険確認をするシステムのことです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
それはわかってるよ。でも、こんなに早く義務化されると思ってなくてね。
それは私も同感です。マイナンバーカード自体、まだ3〜4割の普及率なんです。本格的に運用している病院やクリニックはまだ少ないですし、このタイミングでの義務化というのは、かなり強引に来たなという印象です。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
そうなんだよ!ましてそれに対応するための費用は病院側が持たなきゃいけないわけでしょ?
そうですね。補助金が出ると言ってはいますが、振り込みは先になりますから。取り急ぎ病院側が立て替える形になりますね。それに、お金だけじゃなく手間の問題もある。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
手間の問題?
ええ。今回の義務化に伴って、院内システムの修正も必要になります。院外薬局での処方箋のやり取りも電子的に行われるようになりますし、大規模なDX化が求められる場合もあるでしょうね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ええ〜そうなの? もうほんとやめてくれよ。
多くの先生がそう思ってらっしゃると思います。とはいえ、保険診療はどこまでいっても国の制度下で行われるものです。国の方針が医療費削減に向いている以上、今後もこういった締め付けは続くでしょうね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
そんな……一体どうすればいいというんだ。
国もいよいよ本気になってきている印象です。医療の収益構造が変わってきているわけですから、病院側も思い切った方向転換が必要になるでしょうね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
思い切った方向転換? 例えば?
一概には言えませんが、保険診療から自由診療にシフトチェンジし始める病院も出てきています。いずれにせよ、今まで通りの保険ビジネスだけでは、なかなか厳しい時代になるでしょうね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほど……私たちも腹を据えて考えなければならないということだな。……もしよかったら、今度相談に乗ってくれないか?
もちろんです!それがドクターアバターの仕事ですから!
絹川
絹川

医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。


著者:ドクターアバター 絹川 裕康

株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。

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