「ドクターアバターお休みします」〜お医者さんは、なやんでる。 第176回〜

第176回   ドクターアバターお休みします。

お医者さん
お医者さん
ふう、とりあえず2024年の診療報酬改定はプラスだった。さらにマイナスされるんじゃないかと言われていたから一安心だな。
うーん、意外とそうとも言えないんですよね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ん? それはどういうことだね? って、ああ、君は確か……
お久しぶりです。ドクターアバターの絹川です。お医者さんの様々な相談に乗りながら「アバター(分身)」としてお手伝いをしている者です。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ああ、そうだそうだ。それで、さっきの診療報酬改定の話だけど、そうとも言えないっていうのはどういうことだね? 実際にプラス改定だったじゃないか。
そうなんですが、詳しく内容を見るとプラスになるには条件があるんです。シンプルに言えば、スタッフの処遇改善をした医療機関だけが加算してもらえる仕組みになっている。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
え、そうなの?
ええ。全医療機関が自動的に加算されるわけではありません。また、加算を申請する場合もあれこれ書類を用意しなければならなくて、なかなか大変です。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
う〜ん、そうなのか……。でも実際、うちにはスタッフの給与を上げる余裕なんてないし。まあ、加算されずとも減算されないなら御の字だと諦めるよ。
仰る意味はわかるのですが、意外とそこも盲点で。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ん? 盲点とはどういうことだね。
現状維持さえすればいい、という考え方は危険だということです。スタッフ側も、周囲に処遇改善して給与が上がっているクリニックがあれば、転職を考え始めるかもしれない。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
な……それは困る。うちは今でも人手不足なんだ。一人でも欠けたら回らなくなってしまうよ。
であるなら、処遇改善を検討すべきだと思います。あるいはITを駆使してより少ない人数で回せるようにするか。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
……なるほど、プラス改定だったからと安心している場合ではないということか。
ええ。結果的に現状維持を選ぶことになるにせよ、処遇改善かIT化か、いずれの方向性もしっかり検討してみるべきだと思いますよ。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほど……。ちなみに絹川くんとしてはどちらがオススメなんだい?
一概には言えませんが、電子カルテを導入してなかったクリニックがここにきてついに導入に踏み切っている、という話はよく聞きます。医療のDX化に補助金が出ることなども影響しているとは思いますが。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ふむ。ということは、業界全体としてはIT化が進んでいると。
仰るとおりです。実際、私もいまは電子カルテの導入案件やDX化の相談が増えていて、かなり忙しくなっていて。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ほう、そうなのか。じゃあ、今までのようにいろいろな先生の相談に乗る時間もないんじゃないの?
実はそうなんです。実務の依頼が多すぎて、こんな風にいろいろな先生を訪ねて回る時間が取れなくて。ということで「ドクターアバター」としての動きは一旦お休みしようかなと。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほど。裏を返せばIT化のニーズがそれほど高まっているということだね。具体的にはどんな業務が中心になるの?
そうですね。電カルの中でも低価格で導入しやすい「ダイナミクス」の導入や保守業務がメインになってくるかと思います。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ほう。あなたの話を聞いて電カル導入にも興味が出てきたんだけど、そのダイナミクスについてちょっと相談させてもらってもいいかな。
もちろんです! ダイナミクスについてのご相談は大歓迎です!
絹川
絹川

 

医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。


著者:ドクターアバター 絹川 裕康

株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。

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