「ドクターアバター的”DX化”のススメ」〜お医者さんは、なやんでる。 第66回〜

第66回 「ドクターアバター的”DX化”のススメ」

お医者さん
お医者さん
世の中は「DX化」の話が増えてきたな。しかしなあ、うちみたいな小規模病院だと、デジタルを取り入れようにも簡単じゃない。
お医者さん
お医者さん
ひとまずは電子カルテの導入から……いや、しかし、どうなんだろうなあ。

確かに世の中の「DX化」の波はすごいですよね。あらゆる業界がDX、DXと言い始めています。
絹川
絹川

お医者さん
お医者さん
ほんとだよねえ。確かにデジタル化することで便利になることも多いんだろうし。でも、口でいうほど簡単じゃないっていうか……って、あなた一体どなた?

初めまして、ドクターアバターの絹川と申します。お医者さんの様々な相談に乗りながら「アバター(分身)」としてお手伝いをしている者です。
絹川
絹川

お医者さん
お医者さん
へえ、ということはまさに病院のDX化なんかに関っているの?

ええ、そうなんです。先生がさっき仰っていた「電子カルテの導入」が専門だったりします。
絹川
絹川

お医者さん
お医者さん
え!? そうなの? なんだ、いいところに来てくれた。電子カルテの相談、受けてくれない?

ええ、もちろんそれも可能なのですが、どちらかと言うと私は、「電子カルテの導入はちょっと待った方がいいかも」という提案をしたいなと。
絹川
絹川

お医者さん
お医者さん
は? いやだって、あなた電子カルテの業者さんなんじゃないの?

いえ、私は電子カルテを売りたいわけではなく、もっと幅広い視点から「病院を良くする提案」がしたいのです。
絹川
絹川
前提として、「DX化」は必ずしも「電子カルテ化」ということではありません。デジタル技術を活用して生産性を上げる、便利にする、楽にする、そういうことすべてがDX化なわけです。
絹川
絹川
そういう意味で、先生の病院では電子カルテ導入よりも先に、もっと手軽かつ効果的なDX化ができそうだなあと思いまして。
絹川
絹川

お医者さん
お医者さん
んん? それはどんなDX化なんだい。

そうですね、ぜひ最初にやってもらいたいのが、患者さん用Wi-Fiの設定です。簡単にできますし、その割に患者さんからは「この病院、今っぽいな」と感じてもらえます。
絹川
絹川

お医者さん
お医者さん
Wi-Fiか。うん、確かに手軽だし患者さんにも喜ばれそうだな。でも、それだけで経営的な効果があるかなあ。

もちろんそれは入り口に過ぎません。個人的にご提案したいのは、「待合室を仕事スペース化する」というものです。
絹川
絹川

お医者さん
お医者さん
はい? 待合室を仕事スペース化?

ええ、言わば診察室の一部にデスクやチェア、あるいはコンセントを用意して、コワーキングスペース化するってことです。こうすればリモートワークのサラリーマンさんたちも、仕事の合間に気軽に病院に来れるようになる。
絹川
絹川

お医者さん
お医者さん
……う〜む、なるほど、私みたいなおじさんには理解しづらいが、今の若い人たちはそういう感覚なのかもしれないな。

ええ、先生の感覚ではなく、患者さんの感覚で考えるというのは本当に大切なことだと思います。そういう意味では、スマホアプリで呼び出しをするシステムなんかも喜ばれるかもしれませんね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほどね。考えてみれば病院というのは患者さんのための場所なんだものね。DX化という言葉にとらわれすぎて、確かに視野が狭くなっていたかもなあ。
お医者さん
お医者さん
うん、私自身も新しい感覚に慣れていきたいし、先ほど提案してくれた諸々をまず導入してみようかな。ちなみにそういうのも絹川さんは対応してくれるの?
もちろんです!お任せください!
絹川
絹川

医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。


著者:ドクターアバター 絹川 裕康

株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。

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