クリニックは広告を出しても意味がない?〜お医者さんは、なやんでる。 第132回〜

第132回 「クリニックは広告を出しても意味がない?」

お医者さん
お医者さん
広告掲載で収益アップ、か……。確かにうちも少しずつ患者が減ってきているし、そういう打ち手も必要だよなあ。
お医者さん
お医者さん
さっきの営業さんはなかなかいい人そうだったし、一回くらい試してみようか。やっぱり今の時代はネット広告なんだろうか。
こんにちは先生、近くまで来たのでご挨拶に来ました。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ん? ああ、あなたは確かドクターなんとかの……
ドクターアバターの絹川です。お医者さんの様々な相談に乗りながら、「アバター(分身)」としてお手伝いをしています。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ああ、そうそう。ドクターアバターの絹川さんだ。それにしてもいいところに来てくれた。ウチも広告を出そうと思うんだけど、看板とかチラシよりやっぱりネット広告がいいよね?
そうですね。今はいろんな形態がありますからね。それにしてもなぜ急に広告出稿を考えたんです?
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ん? いや、たまたま広告業者さんの営業を受けてね。「今の時代、病院もサービス業です!しっかりPRしていかないと取り残されてしまいますよ!」なんて怖いことをを言うもんだから。
なるほどなるほど。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
で、どう思う? その営業さんはリスティング?広告とSNS広告をミックスして……みたいなことを言っていたけど。
僕だったら広告は出さないですね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
は? 出さない?
ええ。広告に使う予算があるなら、それを患者満足度アップのために使います。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ちょ、ちょっと待ってよ。広告は出さない。患者満足度アップのために予算を使う?
ええ。というのも、医療機関のPRってけっこう難しいんですよ。飲食や物販と違って、広告を出したから即収益アップとはならないケースが多いんです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
え? そういうものなの? だってさっきの営業さんはたくさん成功事例を教えてくれたよ。
もちろん成功した例もたくさんあるでしょう。でも考えてみてください。例えばご飯は毎日食べますけど、病院には毎日行きませんよね。「今日は休みだから病院でも行くか!」なんて人もいない。具合が悪くなって初めてニーズが発生するわけで、しかもそのタイミングは患者さん自身もコントロールできない。
絹川
絹川
だからニーズの表出と広告掲載のタイミングをバチッと合わせるのは至難の業なんです。逆に言えば、いつ見られてもいいように長期間出稿し続けるしかない。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
うーん、まあ、確かに。
一方、患者満足度というのは比較的すぐに効果が出ます。受付や診察の対応をより丁寧にするとか、待ち時間を減らすとか、便利な予約システムを導入するとか、やり方はいろいろありますが、広告で当てるよりは成功確率が高い。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
まあ、それはそうかもしれないけど。でもそもそも広告を検討した理由は患者数の増加、もっと言えば売上拡大だよ。既存の患者さんの満足度を上げても仕方ないんじゃないの?
それが、患者満足度が上がれば売上も上がるんです。あるアンケート調査によると、患者満足度志向が強いクリニックの7割は儲かっています。逆に、患者満足度志向が弱いクリニックは9割不調です。
絹川
絹川
考えてみれば当たり前ですよね。患者満足度が高ければいい評判が、低ければ悪い評判がどんどん口コミで広がっていくんですから。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
む……確かにそれはその通りだ。特にうちは既存患者さんからの紹介も多いからなあ。
そういうことです。だから「広告を出すこと」ではなく「患者満足度を上げること」を目的に据えていろいろ作戦を練るのがいいと思います。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほどなあ。
一点アドバイスするとしたら、Googleビジネスプロフィールは充実させておいた方がいいでしょう。Googleマップなどで検索した時に出るやつですね。もし口コミが書かれたら、それに丁寧に返信する。その繰り返しが信頼につながっていきます。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ふむ。それも患者満足度アップのための一環ということだね。
そういうことです。新規患者さんの獲得も、売上拡大も、常に「患者満足度のアップ」を頭に置きつつ進める。それが重要なんだと思います!
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
わかりやすくていいね! うん、頭がクリアになったよ。ありがとう!

医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。


著者:ドクターアバター 絹川 裕康

株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。

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