第16回 わび和さび -社長峠のことわざ

この記事について
半世紀も生きてきますと、【ことわざ】の持つ意味が、より深く染みるようになりました。昔の人はうまいこと言ったもんだなぁと、しみじみ。時代の転換期、大きく世の中が変わってゆく中でも、人やこの世の本質的な部分は、案外変わらなかったりします。結構スルドイところを突いてくるのです。

本日のことわざ
「腹落ちする」

タカコ

あのさー、「わかりました」と口では言ってるケド、行動が全く伴わない部下とかいるじゃないですか。

ほひほひ

いるねえ。

タカコ

「何度も何度もおんなじこと言わせるな~!!」ってさ、もう育児中にさんざん使ってきたセリフを会社でも言わなければならんとは・・とくに若手社員相手に言わなければならない事が多い。

ほひほひ

フフ

タカコ

クレーム出して取引先に謝罪に行ったときも、社内で上司から指導を受けたときも神妙な顏で「申し訳ございませんでした。二度とこのような事は繰り返さないよういたします」と言っている。でも平気で繰り返す…WHY何故に~?

ほひほひ

理解してないからダヨ。

タカコ

いや、そんなはずはないでしょ!日本語通じないわけじゃあるまいし。

ほひほひ

それはアタマで理解しているだけ。

タカコ

??理解するのは頭でしょ。

ほひほひ

いや違う。アタマだけで理解するのは、本当に理解しているのとは違う。

タカコ

ムムム!ここで本日のことわざという事か!

ほひほひ

合点がいくとか、納得するとか言う意味で使うのは「脳」とか「頭」ではなくて「腹落ちする」「腑に落ちる」そういう言い方をするだろ。

タカコ

腑・・・はらわた、肝、胃や腸などをさす言葉・・・ほんとだ!

ほひほひ

腹落ちして初めて「本当の意味で理解した」ということになる様だぞ、人間は☆

タカコ

あ~そういえば、心の状態とかを表すのに頭を指す言葉って確かに思い浮かばない。
「肝に銘じる」「腹の探り合い」「腹を割って話す」「肝が据わっている」「腹黒い」「腹をくくる」うわ~どんどん出てくるのは、お腹まわりばかりだ!

ほひほひ

怒ることを「腹が立つ」って言うでしょ。脳やアタマがどうのこうのって言わない。

タカコ

確かに・・。本当の感情って腹とか肝にあるのかなあ。「腹の底から笑う」とかも言うし。

ほひほひ

地球上の動物はまず、腸からできるからね。腸にある迷走神経は腸から脳へ情報を運んでいる。その信号を感情として脳は表現しているという事なんだ。また、胃の活動リズムが脳の活動リズムより先行している事から、胃の活動が脳の活動に影響を与えているという事もわかってきたらしい。

タカコ

えーっ!?ちょっと待って!そしたら、昔の人ってもう分かっていたという事なのか・・・すごいな。

ほひほひ

感覚的に理解していたのかも。

タカコ

そういえば、ものすごく怒りの感情がでたとき「はらわた煮えくりかえる」とか言うよね。感覚的にやっぱり「頭」より「腹」に感情の源がある気がするね。

ほひほひ

最初の話に戻るとね、部下に理解させないとダメなの。それには「腹落ち」させて初めて本当にその人が心の底から【理解】した事になるのダヨ。

タカコ

そっか!「腹落ち」するような指導の仕方や言葉がけを考えることがまず大事なんだね。

ほひほひ

ちょっと、今日のはことわざか?という感じだけどねww

タカコ

まあ結果、4月にはちょうどいいお話になったかも。
新卒の教育担当の皆様!指導のコツは「腹」にありそうですよ☆

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著者について

 

黒須 貴子(くろす たかこ)
https://tempurayama.com/

数々のアルバイトや専業主婦などを経て、消防設備の会社を設立。下請けからの脱却、女性消防設備士の登用など、難題に直面してきた経験をシェアして生かせる〈社長峠の茶屋〉を始める。学生時代はパンクロッカー、現在はヴィジュアル系のキャンサーサバイバー。

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