第39回 パイナップル事件の真相

この対談について

健康人生塾の塾長にしてホリスティックニュートリション(総括的栄養学)研究家の久保さんと、「健康とは何か」を深堀りしていく対談企画。「健康と不健康は何が違うのか」「人間は不健康では幸せになれないのか」など、様々な角度から「健康」を考えます。

第39回 パイナップル事件の真相

安田
今日は久保さんに、私が遭遇した「パイナップル事件」について聞いていただきたいと思います(笑)。

久保
パイナップル事件! いったいどんな事件ですか?(笑)
安田
実はここ2〜3年、目の中にモヤモヤしたものが見えるようになってきて。それで眼科に行ったんですが、「飛蚊症ですよ」と言われまして。

久保
あぁ、糸くずみたいなものがいつもフワフワ見えるんですよね。私も網膜剥離になった時にいろいろ調べましたが、あれは確か、眼球の硝子体が濁ってくるのが原因でしたよね?
安田
そうですそうです。どうやら年をとってくると2人に1人の割合で発症するものらしく。飛蚊症の厄介なところは、治らないってことなんです。

久保
ははぁ、要は我慢するしかないと。
安田
仰るとおりです。でも、視界の隅で白いモヤモヤが見えるのはやっぱりストレスなんですよね。で、どうにか解消できないかといろいろ調べていたら、あるYouTubeにたどり着きまして。

久保
ほぉ。それはどんな内容だったんでしょうか。
安田
飛蚊症は、パイナップルを食べれば改善される、と。

久保
あっ、私も聞いたことがあります! 確かパイナップルに含まれる酵素が、飛蚊症の解消の助けになる。そんな話でしたよね?
安田
そう、それです! だからそれから毎日コンビニで生のパイナップルを買って食べるようにして。実は私、それまでパイナップルなんてほとんど食べたことがなかったんですが、慣れてみるとなかなか美味しくてハマってしまって、本当に毎日毎日食べていたんですよ。

久保
徹底していますね〜(笑)。それで効果のほどはどうでしたか?
安田
それが、飛蚊症が改善したかどうかはよくわからず…。というのも毎日パイナップルを食べ続ける生活を続けているうちに、なぜかお腹の調子が悪くなってきたんですよ。普段なら正露丸や整腸剤を飲めばすぐに治るのに、当時は2ヶ月くらいずっと下痢症状が続いていました。

久保
おっと、それはまずい状態ですね。
安田
ええ。ですから近所の病院に行ったんです。そこでは簡単な問診と、一応アレルギー検査もしてくれたものの、特に何の反応も出ず。結局、私が薬局で買っていたものと同じ整腸剤を処方されて終わりでした(笑)。

久保
なんと…!(笑)
安田
そんな時に久保さんから「遅延型アレルギー検査」なるものがあることを教えていただきまして。もしやと思い検査を受けてみたら、なんと、パイナップルにバッチリ反応が出ました(笑)。

久保
出ましたか!(笑) 確かに遅延型アレルギーかどうかは、普通のアレルギー検査では引っかからないんですよ。
安田
そうみたいですね。で、結果を元にカウンセリングをしていただき、とりあえず半年間はパイナップルはやめてみることにしたんです。すると半年どころか2〜3週間のうちに、あっという間にお腹の調子が改善したんですよ(笑)。

久保
なるほど、それが「パイナップル事件」の真相でしたか(笑)。私の情報がお役に立ったようで本当に良かったです(笑)。
安田
その節はありがとうございました(笑)。ところで、なぜ病院でやってもらったアレルギー検査では何も引っかからなかったんでしょうか?

久保
以前もお話しましたが、アレルギーとして反応する抗体が違うんですよ。ご近所の病院だけでなく、日本の一般的な病院で行っている通常のアレルギー検査=「即時型アレルギー検査」はIgE抗体を調べるのに対し、「遅延型アレルギー検査」ではIgG抗体を調べるので。
安田
遅延型アレルギーは、食べてすぐにアレルギー症状が出るわけじゃないから、なかなか気づかれにくいんでしたよね。

久保
そうなんです。厄介ですよね。
安田
いや本当に。私もパイナップルを毎日美味しく食べているつもりでしたが、カラダは時間差で拒否反応を示していたと。

久保
仰る通りです。大豆にしろ小麦にしろ「好きだから」と毎日食べ続ける方がいますよね。でも不思議なことに、そうやってよく食べたくなるものほど遅延型アレルギーの原因になりやすい、と言われていて。本人は体に良いと思って一生懸命食べているんですけどね。
安田
そうなんですか! う〜む、そう考えると、本当は遅延型アレルギーの症状が出ているのに、それに気づけていない人も多いのかもしれませんね。「遅延型アレルギー検査」がもっと当たり前になればいいのに。

久保
同感です。もっとも、即時型アレルギーはすぐ命に関わることもあるため、やっぱり優先度が高いんです。でも「なんとなく不調」という程度でしか反応が出ない遅延型アレルギーは、積極的に検査するお医者さんがほとんどいない状態なんですよね。
安田
確かに、私もいろいろ探しましたが、遅延型アレルギー検査をやってくれる病院がなかなか見つからなかった覚えがあります。ちなみに遅延型アレルギーが起きている時って、体内では何が起こっているんですか?

久保
複数の食品に反応している場合は「リーキーガット症候群」といって、腸の中に問題がある場合が多いようです。「リーキーガット」というのは、「腸内に悪玉菌や添加物のような化学薬品がたくさんあることで炎症が起こり、腸の細胞が緩んでしまっている状態です。
安田
それは、「細胞と細胞の間に隙間がたくさんできている」ということですか?

久保
仰る通りです。その隙間を通って、本来は腸から吸収できない大きいサイズの分子や毒素などが血液中に入ってしまい、それがアレルギーを引き起こすんです。
安田
へぇ〜、知りませんでした。これってお医者さんの中ではわりと浸透している考え方なんですか?

久保
アメリカなどでは一般的に議論されている話題なんですけど、なぜか日本の西洋医学のお医者さんは、「リーキーガットとアレルギーが関連しているなんて何の根拠もない」と思われている方が多い印象です。
安田
そうなんですねぇ。

久保
ただ、なんとなく不調が続く人に遅延型アレルギー検査をすると、様々な食べ物に反応が出るんです。要はだいたいリーキーガットが原因なんですよ。だから腸をしっかり整える食生活に変えない限り、改善しづらい。
安田
あの、私が思うに日本のお医者さんって、クスリや手術など「短期間で症状を解決する」のは得意ですよね。だけど「長期にわたってなんとなく調子が良くない」といったことへの対処法については、ほとんど教えてくれない気が。

久保
いわゆる慢性病のようなものは、食生活や生活習慣が原因のことが多いので、それはクスリでは治せないと考えているんでしょう。「だからそれは自分たちの範疇ではない」ということですよね。
安田
あぁ、そうか。生活習慣を変えるのは医者の仕事ではない。つまり儲からないからやらないと。

久保
平たく言えばそういうことなんじゃないかな、と思っています(笑)。
安田
笑。ちなみにもし遅延型アレルギー検査を受けたい場合は、久保さんにお願いすればやっていただけるんでしょうか?

久保
はい。安田さんも行かれたクリニックで、採血をしたり検査結果をもとに看護師からアドバイスをしたり、ということをやらせていただいております。あとは、検査キットを取り寄せてご自身で採血していただくこともできるんですが、その場合ももちろん私がサポートいたします。
安田
いやあ、遅延型アレルギー検査はみんな絶対受けるべきだと思いますね。少なくとも私はこの検査を受けてよかったです。そうじゃなきゃ、一生原因不明の腹痛に悩まされるところでしたから!(笑)

 


対談している二人

久保 光弘(くぼ みつひろ)
健康人生塾 塾長/ホリスティックニュートリション研究家

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仙台出身、神奈川大学卒。すかいらーくグループ藍屋入社後、ファンケルへ。約20年サプリメントの営業として勤務後、2013年独立し「健康人生塾」立ち上げ。食をテーマにした「健康人生アドバイザー」としての活動を開始。JHNA認定講師・JHNA認定ストレスニュートリショニスト。ら・べるびい予防医学研究所・ミネラル検査パートナー。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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