第266回「日大アメフト問題の真相」

この記事について

2011年に採用ビジネスやめた安田佳生と、2018年に採用ビジネスをやめた石塚毅による対談。なぜ二人は採用ビジネスにサヨナラしたのか。今後、採用ビジネスはどのように変化していくのか。採用を離れた人間だけが語れる、採用ビジネスの未来。

前回は 第265回「ビッグモーターの洗脳事情」

 第266回「日大アメフト問題の真相」 


安田

日大のアメフト部が大変なことになってますね。

石塚

林真理子さんね。

安田

彼女もやりたくてやってるわけじゃないのに。なんで日大ばっかりこんな問題が起こるのか。

石塚

日大って、歴史的にこういう大学なんですよ。

安田

なんと。

石塚

日本大学の略称って、昔は日大じゃなかったってご存知ですか。

安田

そうなんですか?

石塚

今はみんな当たり前に日大って言うけど、今から50年ぐらい前はそう言われなかった。

安田

何て言われてたんですか。

石塚

ポン大。一種の差別用語だったんですよ。裏からいっぱい入ってくるような大学で、当時、古田重二郎さんっていう悪名高い理事長がいて。歴代みんな悪代官みたいな人だった。

安田

よく今まで生き残ってこれましたね。

石塚

商才はあるんですよ。時の政府と密に繋がっていて。

安田

へえ〜。

石塚

権力者をうまく使いながら、とにかくマンモス校に拡大していくという戦略。

安田

前回の理事長が「悪の根源」みたいに言われてますけど。実は歴史的にずっとそういう体質なんだと。

石塚

あれは校風ですね。

安田

林真理子さんが頑張ってもそう簡単には変わらない。

石塚

半世紀前からのDNAはなかなか変えられないですよ。

安田

なるほど。

石塚

じつは学生運動が盛り上がった時に日大も立ち上がったんです。東大全共闘と日大全共闘が2大共闘って言われたぐらい。学生が勝って一旦は体制が壊れたんです。

安田

おお!すごいじゃないですか。

石塚

だけど時間が経ったらその首謀者を全員抹籍したんです。抹籍ってわかりますか?入学からの事実を全部消してしまうんです。

安田

社会的抹殺ですね。恐ろしい。

石塚

これは本にもなっていて。その勇猛果敢な戦いぶりをみんな尊敬して、リスペクトを込めてポン大ではなく日大と呼ぶようになった。

安田

だけど元に戻っちゃった。

石塚

そう。大学のDNAだから。倫理性とか教育より金儲け、営利主義、規模やスケールメリット。林真理子さんもOGの義憤から引き受けたんでしょうけど。参ったなと思ってんじゃないですか。

安田

決して林真理子さんが隠蔽しているわけではない。

石塚

肝心なことは何も知らされてないと思います、林さんは。

安田

悪代官からしたら林さんは目の上のたんこぶなのかも。これを機に追い出そうとか。

石塚

前任の田中さんという理事長が相当な権力者で。彼が作っていた権力構造はそう簡単に変わらないと思います。

安田

悪そうな顔をしてましたよね(笑)

石塚

そうそうそう(笑)昔の古田重二郎さんの顔を見てください。ほんと通じてますよ。

安田

人は見かけで判断しちゃいけないとは言いますが。やっぱり顔に出ますよね。ちなみに今の副学長は元検事らしいですけど。なぜ法律のプロがこんなミスをしてしまうのか。

石塚

日大のこの中に入るとそうなっちゃうんです。

安田

日大のビジネスモデルに組み込まれちゃってる感じですか。

石塚

日大の巨大組織の舵を取るとやられますよ。

安田

ものすごい利権なんですね。日大って。

石塚

当然ですよ。日本一でかいので。アメフト問題の首謀者の実家が洋菓子屋なんですけど。日大の卒業生全員に配られるお菓子の指定を受けた途端に億万長ですよ。

安田

おお!

石塚

発注量がものすごいから。あの大学に自動販売機って何千台あると思いますか。修繕、クリーニング、メンテナンス、建て替え工事も利権だらけですよ。

安田

理事長が変わったぐらいで体質は変わるもんじゃない。

石塚

無理ですね。日大は日大のままですよ。

安田

外部からの圧力はどうですか?企業が日大を採用しなくなるとか。

石塚

日大はOBがものすごい数だから。ありとあらゆるところにその人脈があるわけです。日本一公務員を輩出してるし、経営者も多いし。警視総監になった人もいます。国家権力とはずぶずぶなんですよ。

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石塚毅
(いしづか たけし)
1970年生まれ、新潟県出身。前職のリクルート時代は2008年度の年間MVP受賞をはじめ表彰多数。キャリア21年。
のべ6,000社2万件以上の求人担当実績を持つ求人のプロフェッショナル。

安田佳生
(やすだ よしお)
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

 

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