第159回 「一発勝負の店」は儲かるか?

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第159回 「一発勝負の店」は儲かるか?

安田

倉橋さんとの対談を通じて、商売はBtoBもBtoCも関係なくリピートが大事なんだとようやく理解してきたんですけど、最近行かれたコンセプトレストランの話がちょっと気になりまして。あれはどんなお店だったんですか。


倉橋

博多にあるお寿司のコンセプトレストランで、料理が出るたびに演出があるんですよ。煙がもくもく出たり、マジックみたいなことをしたり。

安田

ああ、なるほど。パフォーマンス型のエンタメレストランですね。


倉橋

ええ。客層でいうと、お客さんの6割ぐらいがインバウンドでしたね。皆大喜びで、目の前で握ってくれるお寿司を写真を撮ってインスタグラムにアップしたり。

安田

ああ、外国の方は喜ぶでしょうね。でも初めてなら楽しそうですけど、2回目はどうなんでしょう。マジックショーと同じで、ネタを知っていたら面白くないような。


倉橋

まぁ同じメンバーでもう一回行くかと言われると行かないでしょうね。メニューも演出もまったく同じですし。ただ、誰か別の人を連れて行って驚かせるという意味でのリピートはあるかもしれません。

安田

確かに。とはいえ現実的に毎回新しい人を連れて行くお客さんがそんなにいるとも思えませんし、極論すれば「一人一回で終わる店」とも言える。


倉橋

そうですね。でもターゲットが観光客なので、常に人が入れ替わるんです。来た人がSNSにアップしてくれれば次の観光客も来てくれるし。

安田

つまり、同じ人はリピートしないけど、観光客というカテゴリーとしてはリピートしていると。


倉橋

ええ。ビジネスモデルとしては理にかなっていると思います。

安田

なるほどなぁ。ただ個人的にはそういうお店ってちょっと苦手なんですよ(笑)。事前にお客さんのことを調べて、初訪問なのにすごくパーソナルなおもてなしをしてくれるレストランとかも、あまり好きじゃなくて。


倉橋

ああ、わかります。僕も同じ感覚かもしれない。気恥ずかしさを感じてしまって。

安田

そうそう。5年10年通ったお店で記念日にやってもらえたら感動するんですけど、初めての店でそれだとね。だってそれ、おもてなしとか親切心じゃなくて、ルールとして調べて演出しているってことじゃないですか(笑)。

倉橋

確かに(笑)。ナプキンに会社のロゴを入れてくれたりするところもありますよね。ありがたいけど、「そんなに深い関係じゃないでしょ」って思ってしまって。

安田

「これ感動するところですよ」と言われている感じがしてしまうんですよね(笑)。

倉橋

ええ、まさに(笑)。僕もその時は「居心地のよさ」の点数がちょっと下がりましたね。それが上がらないとリピートしようとは思わない。もちろん、そういうおもてなしが大好きな人もいると思いますけどね。

安田

確かに。「誰かを連れて行って感動させたい」という人がターゲットなんでしょうね。私もそういう人に連れて行ってもらったことがありますけど。その人自身がすごく喜んでいて、「感動したでしょ?」なんて聞かれて(笑)。

倉橋

「しました」としか言えないですよね(笑)。でも「感動」って、本人にわからないようにやるから成立するのであって、やりすぎると逆効果だし、足りなくてもいけない。その人に合わせて提供するのが本当のサービスだと思うんです。

安田

同感です。「感動を提供します」と自分で言ってはいけないですよね。

倉橋

そうですね。僕たちみたいにカラクリを覗こうとする側の人間もいますから(笑)。

安田

素直じゃないんですよね、我々は(笑)。でも商売の本質としては、リピートは外せないですよね。「何度でも来たくなるお店を作ること」が商売の本質で、コンセプトレストランはかなり特殊なケースだと。

倉橋

そう思います。玄関マットとかウォーターサーバーとか、何も考えずにずっとリピートしているビジネスってあるじゃないですか。結果的にそういう形になるビジネスが一番強い気がしますね。

安田

ああ、確かに。交換しているだけで儲かるのかなと思いますけど、すごく儲かっているらしいですからね。

倉橋

すべて人の心ですからね。また来たいと思ってもらえるかどうか。難しいですけど、そこを追い続けることが商売なんだと僕は思っています。BtoBでも同じで、リピートに繋がるような商品を用意した方がいいですよ。


対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

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株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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