【大手の作法/001】 本日のお作法:決裁者に会おうとするな

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法:決裁者に会おうとするな

「対大手企業に営業しているのですが、なかなかうまくいかないのです、、」
こんな悩みを多くの中小企業経営者や営業マンから相談されることがあります。

「うちの営業マンが初回訪問で担当者と会って盛り上がった!と言うので、そういう時は “次は社長を連れていくので、上司の方のご同席をお願いします”と言え」といつも言うらしいのです。世の営業マンの多くが社長や上司にそのように言われていることと思います。

話が盛り上がったのであれば、次は決裁者に同席いただき、契約につなげたいということが狙いなのでしょう。だから、営業マンより実力も役職も上の、社長である自分を連れて行け、ということなのです。

その気持ち、良くわかります。何度も訪問するより営業効率も高いので、次のターゲットへの活動に時間を使えることでしょう。

かくいう私も営業マン時代に上司にそのように言われていましたし、部下には「早く決裁者とのアポを設定し同行させてくれ」と指示していました。
その結果は?というと。

「次回は上司のご同席をお願いいたします」の先に待つもの

上司とのアポを設定してくれる担当者さんは、それほど多くないですし、
決裁者に同席いただいたアポでも成約率は高くありませんでした。

打合せの帰り道では、上司から「どうして固まっていないアポに同行させるのだ」との叱責も受けることになり、気持ちは沈むばかり。部下との同行アポでは上司同様に言っていたので、部下は「お前が設定しろ言うからセットしたのに、なんやねん!」という気持ちになっていたことでしょう。

この光景は、営業マンの実力不足、同行上司の実力不足だけが問題ではないのです。
相手先である大手企業のことを知らないために起きた失敗のひとつなのです。

→次頁「大手の胸中やいかに?」

2件のコメントがあります

  1. Mr.Fさん、ご一読いただきましてありがとうございます。コメントを励みに取り組んでまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします!

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