第151回 大手名物・弁当ヒエラルキー

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/大手名物・弁当ヒエラルキー

「新生銀行」さんが、毎年実施しているアンケートに、「サラリーマンのお小遣い調査」なるものがあります。

ちなみに2019年、男性会社員の月平均のお小遣い額は「36,747円」

調査が始まった1979年以来に2番目に低い額であり、その年の10月に消費増税が行われたことなどが背景に見えます。

そして、

昨年2021年の月平均は、男性会社員「38,710円」、女性会社員は「34,398円」という結果に。

前年度と比べると、男性は「マイナス709円」、女性は「プラス544円」。

近年の傾向を見ると、男性は、増加・減少を1年ごとに繰り返し、大きな変化は見られませんが、女性は徐々に増えつつあるような傾向です。

(詳細にご興味ある方は、新生銀行グループのwebを検索くださいませ)

ところで。

某大手さんの研修開催時に、いつも気になっていることがあります。

各種階層別研修をご依頼いただいているのですが、

階層により「受講生のお弁当内容」が異なるのです。

ある日の昼食は、以下のようなものでした。

・新入社員・若手(茶色多めのガッツリ系)

白飯大盛り、唐揚げ、コロッケ、ポテト、スパゲティ、ポテトサラダ、玉子焼、漬物

・中堅社員(上記に、気持ち、魚が混ざる)

白飯大盛り、アジフライ、コロッケ、シウマイ、スパゲティ、ポテトサラダ、玉子焼、漬物

・課長層(何やら、京都の香りが漂います)

季節の炊き込み、鰆の西京焼き、焼きナス、彩り野菜サラダ、京漬物

・部長層(おそらく老舗の和食屋さんが提供してるやろ)

和牛の肉巻きおにぎり、牛ザブトンステーキ、特製春巻き3種(蟹クリーム、ほうれん草グラタン、季節の野菜)、揚げナス、大根のだし煮、中華風春雨サラダ、小松菜と油揚げのお浸し、お漬物

いかがでしょう。この違い。

これこそが、「japanese大手のヒエラルキー」を感じさせるところでもありますw

高松は昼食不要の身ですので、特に影響はございませんが、登壇する講師のテンションは階層により、かなり異なりますw

さて、冒頭の新生銀行さんのアンケート調査に戻ります。

実は、こちらのバラエティ豊かなメニューをご披露してくださる某人事マネジャーさんから、

「面白い調査があるんです。ね?会社員は大変でしょ?少ない給料で色々とやりくりしなきゃいけないんですから。若手なんて特に大変ですよ」と紹介いただいたものなのです。

ちなみに、彼の直近の大きな悩みのひとつが、「若手層の早期離職対応」。。

「弁当ヒエラルキーから変えてみるのも良いのでは!」と、思わずお伝えしてしまいましたw

著者の他の記事を見る


 

高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

感想・著者への質問はこちらから