中東で見つける小さなブルーオーシャン
第6回「ドバイではどんなものを売っているのですか?サウジアラビアは商品も違うのですか?」

日本人は中東を「イスラム教の国々」と一括りにしてしまいがち。でも中国・北朝鮮・日本がまったく違う価値観で成り立っているように、中東の国だって様々です。このコンテンツではアラブ首長国連邦(ドバイ)・サウジアラビア・パキスタンという、似て非なる中東の3国でビジネスを行ってきた大西啓介が、ここにしかない「小さなブルーオーシャン」を紹介します。

  質問  
ドバイではどんなものを売っているのですか?
サウジアラビアは商品も違うのですか?

ドバイでは、場所によっては豚肉製品でさえもノンムスリム(=非イスラム教徒)向けとして販売されているので、「だいたい何でも手に入る」と考えていいのではないかと思います。

ファッション、電化製品などあらゆる分野において、多くの有名ブランドが進出していますし、ドバイ限定モデルを出していたりもします。

写真は過去に見つけたディズニー人気キャラのグッズです。
私は一目見て、キャラクターの体調が心配になりました。
カラーリングがポップであるとも言えますが、日本の商品開発会議の場ではGOサインが出にくそうな色使いです。
これも限定モデルでしょうか。


(ものすごい色使い)

 

日本製品も、決して多くはありませんが見かけます。

有名なものとしては、ヨックモックのお菓子がドバイを中心に人気が出ました。
サウジアラビアでも名前が知られていて、プレゼントに喜ばれます。

ダイソーも出店しています。
便利なアイデアグッズを安く買うことができ、人気があるようです。
そういえば、日本のダイソーに置いてある商品でも、裏面を見るとアラビア語表記が入っているものを見かけますが、それは中東にも出されている商品かも知れません。

他には紀伊国屋書店がドバイモールにあったりします。

一方、サウジアラビアはどうでしょうか。
ドバイとは異なり、アルコールや豚肉関連製品は見かけませんが、サウジアラビアにも有名なブランドはほとんど揃っています。
以前ハイブランドの立ち並ぶモールに行きましたが、モールといってもそれぞれの店舗の規模が大きく、ハイブランドのみで埋め尽くされた村、のような感じでした。


(ハイブランドモールの写真。BALENCIAGA)


(夜に買い物を楽しむサウジ女子達。前にGUCCI、右側にはSalvatore Ferragamoの店舗があった)

日本製品はと言えば、家電や車といった分野の商品はよく見ます。
ただ、一般的な消費財については、ドバイと比べるとかなり少なくなります。
サウジアラビアに狙いを定めて輸出しようという日本企業が少ないので、当然といえば当然ですね。
ダイソーは進出しているようです。

首都リヤドのスーパーで、日本の100円均一商品を見つけた時は、つい写真を撮ってしまいました。サウジアラビアでは150円程度になっていますが。


(雑にワゴンで売られる「皮むきでR!」。ダイソーのルートで流れてきたものか)

中東はお金持ちというイメージで語られ、実際にマーケットとして非常に魅力のある地域ですが、それを理解した日本企業は一様にドバイを目指す傾向にあります。
アラビア半島の中で一番規模が大きいのにも関わらず、競合がまだそれほど多くないサウジアラビアも候補に入れてみてはいかがでしょうか。

 


 この記事を書いた人  

大西 啓介(おおにし けいすけ)

大阪外国語大学(現・大阪大学)卒業。在学中はスペイン語専攻。
サウジアラビアやパキスタンといった、どちらかと言えばイスラム感の濃い地域への出張が多い。
ビビりながらイスラム圏ビジネスの世界に足を踏み入れるも、現地の人間と文化の面白さにすっかりやられてしまった。
海外進出を考える企業へは、現地コネクションを用いた一次情報の獲得・提供、および市場参入のアドバイスを行っている。
現在はおもに日本製品の輸出販売を行っているが、そろそろ輸入も本格的に始めたい。大阪在住。

写真はサウジアラビアのカフェにて。

 

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