第59回「前回の記事にあった『ジェッダ・シーズン』って何ですか?」

日本人は中東を「イスラム教の国々」と一括りにしてしまいがち。でも中国・北朝鮮・日本がまったく違う価値観で成り立っているように、中東の国だって様々です。このコンテンツではアラブ首長国連邦(ドバイ)・サウジアラビア・パキスタンという、似て非なる中東の3国でビジネスを行ってきた大西啓介が、ここにしかない「小さなブルーオーシャン」を紹介します。

  質問  
「前回の記事にあった『ジェッダ・シーズン』って何ですか?」

   回答   

前回の記事で、「シルク・ドゥ・ソレイユの公演によって『ジェッダ・シーズン』が幕を開けた」と書きました。
そこで、「そもそも『ジェッダ・シーズン』って何?」という問いをいただいたので、お答えしたいと思います。

【エンタメの集合体】
ジェッダ・シーズンを一言で説明するなら、サウジアラビアの都市ジェッダで行われる「エンタメを1箇所で楽しめるイベントの集合体」です。

『ジェッダ・アート・プロムナード』、『シティ・ウォーク』など、9つのメインゾーンから構成され、イベント総数は実に2800以上。
シルク・ドゥ・ソレイユをはじめ、様々なライブ・パフォーマンス、有名歌手によるコンサートなどが催され、動物園や遊園地も出現しています。もちろんレストランやカフェもあります。

『アニメ・ビレッジ』では日本のポップカルチャーが取り上げられ、なんと東京の街並みが再現されている場所もあります。

(↑街並みを作っている最中。※音にご注意ください)

期間は2022年5月~6月にかけての約2ヶ月間。
シルク・ドゥ・ソレイユの公演でスタートし、開始後3日間で20万人以上を動員しています。


(↑60日間の花火、4万台以上の駐車場。規模の大きさがわかる。公式サイトより)

【目的は水準の底上げ】
ジェッダ・シーズンは『サウジ・シーズンズ(Saudi Seasons)』という取り組みの一環です。
サウジ・シーズンズの目的は、「サウジアラビア国内の観光・エンタメ産業の水準を底上げすること」。
ジェッダ・シーズンも目的は同じです。

それぞれ「◯◯・シーズン」という名前で呼ばれる11のシーズンから構成され、ジェッダ・シーズンはその一つです。


(↑サウジ・シーズンズの概略図。その土地や季節に合ったイベントが開催されてゆく予定)

2021年11月から2022年3月にかけて首都で行われた『リヤド・シーズン』の累計訪問者数は、アラブニュースによると5ヶ月間で1500万人。
コロナ禍にもかかわらず、1日平均10万人という驚異的な観客動員数です。
実績としても大成功と言えるでしょう。

【継続的な「国おこし」】
今後も11の「◯◯・シーズン」が各地で行われていくことでしょう。
町おこし・地域おこしであり、国おこしでもあるこのサウジ・シーズンズ。
今回のジェッダ・シーズンやリヤド・シーズンにも見られるように、日本のエンタメをフィーチャーしたゾーンがありますから、日本として積極的に関わっていきたいところですね。
これらのイベントを企画しているのは、サウジ文化省です。
次回は、サウジ文化省の取り組みについて少し詳しく触れてみたいと思います。
シュクラン・マッサラーマ。

 

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 この記事を書いた人  

大西 啓介(おおにし けいすけ) 

大阪外国語大学(現・大阪大学)卒業。在学中はスペイン語専攻。
サウジアラビアやパキスタンといった、どちらかと言えばイスラム感の濃い地域への出張が多い。
ビビりながら中東ビジネスの世界に足を踏み入れるも、現地の人間と文化の面白さにすっかりやられてしまった。

海外進出を考える企業へは、現地コネクションを用いた一次情報の獲得・提供、および市場参入のアドバイスを行っている。
現在はおもに日本製品の輸出販売を行っているが、そろそろ輸入も本格的に始めたい。

写真はサウジアラビアのカフェにて。

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毎週金曜17時更新
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