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ネットの履歴書』。 これまでの履歴書や職務経歴書とは何が違うのか。 なぜ究極と言えるのか。その秘密に迫ります。
芥川賞作家の川上さんのニュース。見ましたか?
見ました。
最近増えてきましたね。ネット中傷を訴えるケース。
そうですね。
訴えられて有罪になる人って、どんどん増えてるんですか。
増えていってます。有名人は今いちばん頭が痛い問題でしょうから。
有名人じゃなくても嫌ですよ。
だからどんどん訴訟も増えてます。
「ネット中傷=違法だ」ってなると、ネットの世界は変わるでしょうね。
どうでしょう。
「書いちゃいけない」って方向に行くんじゃないですか。
そこはもう変えられないと思いますけどね。
じゃあこの先も書く人は書くと。
たとえばラーメンを食べて「まずい」ってネットに書く人はいるでしょ。結局「おいしい」「まずい」って本人の主観なので。
そうですね。
「おいしいじゃないか」って言ったって、本人が「まずい」と言い張れば、これは風評でも誹謗中傷でもない。事実であり主観なので。
そこは変えようがないと。
はい。弁護士さんもおっしゃられるように、絶対に覆らない。
たとえば「こいつはブサイクだ」っていうのも主観の問題ですよね。
そうですね。
でもそれで傷つく人がいて。下手したら自殺に追い込まれることもある。
ネットに書くってことは「みんなに発信する」ってことなので。他人の社会的評価を落としてる。しかも証拠が残る。
訴えられる可能性もあるってことですか。
もちろん。
でも「まずい」は訴えられないんですよね。
訴えられないですね。食べログに、もう、腐るほどあります。
人に対しては駄目だけど、店に対してはOKってことですか?
人に対しても「そう思った」ってことを書くのは基本的にはOKです。
「こいつは詐欺師だ」って書いたら駄目なんですよね。
それは駄目ですね。
限りなくそれに近い表現はどうなんですか。
「詐欺師のような」とかですか。
はい。「詐欺師のような雰囲気を感じた」とか。
そういう表現だとぎりぎりセーフでしょうね。
だったら評判を落とす目的で、いくらでも書けますね。
書けます。
それで損害を与えられることもあるわけですよね。お店や会社に。
ありますね。
それでも訴えたら負けると。
書かれた内容や頻度によります。総合評価なので。訴えたら罰を科せられる可能性はあると思います。
有罪になるケースは増えてるんですよね?
被害を受けた側が勝つケースがちょっとずつ増えてます。今回の川上さんも「こんなはした金もらったところで」って感じでしょうけど。
勝つことに意義があると。
本人はそう思ってるでしょう。
なぜ訴訟が増えてるんですか?
本人が特定できるようになってきたから。
にも関わらず書く人は減らないと。
「ネットの匿名がバレるとは知りませんでした」って人がいっぱいいますから。
そうなんですね。
はい。こんなに言われてるのに「まだ知らない人いるんだ」っていう。
若い子は知ってそうですけど。
若い子たちは「それがいけないことだ」ってことを知りません。テレビも見なくなったし、新聞も見ないから。
ネットにも出てますよ。
ネットニュースは自分が興味のあるものしか目に入らない。YouTubeも見たいものしか見ないから視野がどんどん狭くなる。
なるほど。
興味がない情報は意図的に取りにいかないと入らない。その傾向がより強くなってきています。
だからネット中傷は永遠になくならないと。
法律改正とか、判決までのスピードとか、国が主導してやるしかないでしょうね。
やりますかね?国は。
可能性はあると思います。現状があまりにもひどいので。
自殺者も増えてますもんね。
「被害者になったらどうしたらいいんですか?」って聞かれるケースが増えました。
どうしたらいいんですか?
被害を受けたときの行き先としては警察なんですよ。
警察はそんなこと対応してくれるんですか?ちょっと悪口書かれたぐらいで。
最近は割としっかり対応してくれます。
そうなんですか。
はい。弁護士さんも結構びっくりするレベルで。だんだんそうなってきてるんです。
へぇ~。
だからまずは警察に行ったほうがいいと思います。
ネット中傷も形を変えた暴力ですからね。警察に取り締まってもらえると嬉しいです。
だけど対処は難しいんですよ。
それは技術的な問題ですか?
それもありますし、キャパシティーの問題もあります。たとえば暴力団はだいぶ減りましたけど、その分地下に潜ってより分かりにくくなってる。
なるほど。
直接殴ったり蹴ったりが減ってきてて、その分ネットでしつこくしつこく、安全なところから攻撃を加えたり。
暴力団もネット化してるってことですか?
そうなりつつあります。
・・・次回へ続く・・・
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