小さなブルーオーシャンに出会う旅 第51回
「事業のやるべきことを、ちょっとだけずらすことで生まれる小さなブルーオーシャン」

このコラムについて

小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?

と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。

第51回「事業のやるべきことを、ちょっとだけずらすことで生まれる小さなブルーオーシャン」


「差別化しづらい業界で、何に注力したのだろうか?」

近年、コインランドリーの需要が高まっているらしいですね。

私のコインランドリーのイメージは、

週に1回もしくは2週に1回のペースで
洗濯をするひとり暮らしの男性が、
家に洗濯機がないので、
コインランドリーで洗濯をする。
その間に漫画を読みながらタバコを吸っている…

というなんとも昭和な感じなのですが(笑)

コインランドリーの店舗数は、
年々着実に伸び続けているそうです。
その伸び率は毎年5%ほど。
大体、年間で300店舗から500店舗のペースで
増え続けているようです。

近年は、女性の利用者が大半をしめているのとか。

女性の社会進出や夫婦共働き、
あるいは集合住宅で洗濯物を干すスペースが
限られているといった事情があるのでしょう。

また、コインランドリーも進化していて、
布団などの大型洗濯物を扱えるようになったり、
女性専用の店舗だったり、
広い駐車場を完備した店舗だったり、と
女性が気軽に利用しやすい環境が整えられている
ことも需要向上の背景として考えられます。

さらに、コインランドリーはビジネスモデル的にも
参入しやすいのでしょう。
狭小スペースでも始められますし、
設備導入で初期投資はかかるものの、
無人で運営できますから人件費もかかりません。
需要と供給がうまくマッチしたのが、
ここ数年の現状と見受けられます。

しかし、コインランドリーって
どれも一緒ですよね?おそらく…。
違いはないですよね?おそらく…。
ということは、レッドオーシャンだと
いうことも容易に想像がつきます。


chiotaによるPixabayからの画像

現に、コインランドリーのない地域に、
コインランドリーを出した会社(店舗)が、
すぐに新機種を導入した後発会社(店舗)に、
やられて撤退という話はいくつもあるそうです。

こうした中で、着実に売上を伸ばしている、
小さなブルーオーシャン企業があります。

株式会社wash-plus(ウォッシュプラス)
という会社です。

新機種以外で差別化しづらい
コインランドリー業界で、
なぜ、着実に売上を伸ばしているのでしょうか?

小さなブルーオーシャンを生み出しているものは何なのか?

前述した通り、新機種、つまりすごい洗濯機を
導入すれば、お客さんは来るようになります。
(なんだかパチンコ屋さんみたい)

ですから後発会社(店舗)の方が有利、
もしくは、資金が潤沢で
例えば、毎年、洗濯機を入れ替えて
新機種にすれば、売上は維持できるかもしれません。

しかし、今回の株式会社wash-plus(ウォッシュプラス)は、
洗濯機の方ではなく、使用する「水」の方に着目しました。
簡単に言えば、洗剤を使わずに汚れを落とす
魔法の水を自社開発した、ということです。

何を使ったのかというと「アルカリイオン水」。
この水の性質を使って洗剤を使わず、
環境にも、人の肌にも優しいという
コインランドリーを展開しているのです。

しかし、これだけなら参入障壁は高くないはず。
だって、どのコインランドリーでも、
アルカリイオン水を使えばよいだけです。
ところが、このアルカリイオン水は、
普通の水よりもコストが高い。
つまり、採算が合わないのです。
ですから、株式会社wash-plus(ウォッシュプラス)では、
自社で洗濯用のアルカリイオン水を作ってしまったのです。

これだけではなく、
前述した新機種を導入した後発会社(店舗)に
負けてしまうという問題も、
IoT化を進めることで解決。

当然、
株式会社wash-plus(ウォッシュプラス)の
メイン事業は(コイン)ランドリー事業なのでしょう。
しかし、コインランドリーの運営事業ではなく、
洗濯用水の開発事業とも言えますし、
システム開発事業とも言えます。

少しだけ範囲をずらしたことが、
小さなブルーオーシャンを生み出した結果
なのだと思います。

 

株式会社グロウスブレイン 代表取締役

大学(日本史専攻)を卒業後、人材コンサルティング会社に16年間勤務。ソフトウェア開発会社、採用業務アウトソーシング会社、フリーランスを経て、起業。
中小企業の人材採用、研修に携わる一方で、大学での講義、求職者向けイベント等での講演実績も多数。人間の本質、行動動機に興味関心が強い。
国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシリテーター、日本酒ナビゲーター。

 

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