「オモシロイを追求するブランディング会社」トゥモローゲート株式会社代表の西崎康平と、株式会社ワイキューブの代表として一世を風靡し、現在は株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表および境目研究家として活動する安田佳生の連載対談。個性派の2人が「めちゃくちゃに見える戦略の裏側」を語ります。
第9回 お爺ちゃんになっても、代表権は譲らない?

前回の話の続きになりますけど、やっぱりオーナー社長は、自分の想いで始めた会社なんだからワクワクできるじゃないですか。でもそれと同じレベルで社員がワクワクできるのかと言われると、非常に疑問があるわけですよ。

たとえば上場すると、株を多く持ってる社長や役員は、いきなり億万長者になったりするわけですよ。何百億円みたいな天文学的なお金が入ってくる。それはさぞ嬉しいと思うんですが、社員にそれほどの利益はないわけで、ちょっとしらけちゃうんじゃないかと。

以前も仰ってましたもんね。とはいえね、じゃあベンチャー企業が上場以外のどこでワクワク感を出すのか、っていう。というのもね、西崎さんも今はまだ若いですけど、20年も経ったらもうけっこうなお爺ちゃんなわけです(笑)。

いいですね(笑)。それはそれでおもしろそうです。そう言えば、サイバーエージェントの藤田晋さんも同じように仰ってましたよね。ずっと一緒にやっている経営陣がいるけど、そこに経営権を譲ることはしないって。

でもトゥモローゲートの社長をずっと続けるわけではない、と。その割り切りがやっぱり今っぽいですよね。

なるほど。でも、ちょっと寂しくないですか。トゥモローゲートを役員さんと退任して、それでお爺ちゃん会社を別に作ったとしてもですよ? それまでのような刺激やダイナミックさってやっぱりなくなっちゃうわけで。

だって、ソフトバンクの孫さんやユニクロの柳井さんも、一度譲ったあとでまた戻ってきてるじゃないですか。もちろんそれは経営的な判断だとも思いますけど、「やっぱり刺激がほしい!」っていう感情的な理由もあると思うんですよね。

普通のお爺ちゃんならね、60歳で引退して俳句とか読んでれば充分なのかもしれないけど(笑)。それまで何百人何千人っていう社員を動かしてきた、言わば世の中を動かしてきた人にとっては、なかなか耐えられないんじゃないかなぁ。

まぁ人ありきの話なので、なかなか難しいですよね。でも例えば、確かに優秀には違いないけど、西崎さんとはビジョンが全然違う、みたいな人だったらどうですか? 社員たちはその新ビジョンに納得しているとして。
対談している二人
西崎康平(にしざき こうへい)
トゥモローゲート株式会社 代表取締役 最高経営責任者
1982年4月2日生まれ 福岡県出身。2005年 新卒で人材コンサルティング会社に入社し関西圏約500社の採用戦略を携わる。入社2年目25歳で大阪支社長、入社3年目26歳で執行役員に就任。その後2010年にトゥモローゲート株式会社を設立。企業理念を再設計しビジョンに向かう組織づくりをコンサルティングとデザインで提案する企業ブランディングにより、外見だけではなく中身からオモシロイ会社づくりを支援。2024年現在、X(Twitter)フォロワー数11万人・YouTubeチャンネル登録者数18万人とSNSでの発信も積極的に展開している。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。