其の九十弐 化粧ってなに?

イノベーションカードが知らせる

本日の斬り口:すべてを捨てる
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化粧。

拙者の身の回りで
日常的に化粧を
しているのは
ほとんどが
女性でござる。

時代を遡れば、
男子も化粧をするのが
常識だった時代もある。

別段

女性だけ

のことではない。

器、家具や建物も

化粧を施す

し、お相撲さんは

化粧回し

をつけて
土俵にあがる
のだから、人間に
限られたことでもない。

しかし、化粧というと

エリザベス1世

のことを、
拙者は思い出す。

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エリザベス1世は
ご存知の通り、

イングランド王国

の女王だ。

彼女は、25歳のとき
女王として即位した。
彼女の結婚は、

国力

に関係する。
そのため、

他の王室の男子たちを
魅了しつつも
結婚しない。

ことや、

美=威厳=力

の重要性を
深く実感していたため、
外見を

自分の戦術

として扱った。

がっ!!!

29歳のとき
天然痘にかかってしまう。
当時は治療法がなく
致死率が高かった。

また、皮膚にできる
膿疱が破れ、
治療しても
皮膚に跡=痘痕(あばた)
が残る。

死を懸念された
エリザベス1世は
回復したが、

皮膚の痘痕や
頭髪が抜けた
自分の姿は、

彼女を失望させた。

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ここから
彼女の

美=威厳=力

の復活に向けた
執念の道が始まる。

皮膚に残った
病の傷跡を
隠すために

そして、
当時、高貴さの
象徴であった
白さを強調するために

蜜蝋を塗り
鉛や水銀が含まれた
白粉(おしろい)

を重ねた。
鉛や水銀が
中毒を起こすことや

歯が抜けるなど
副作用があること
死に至ることも
知られていたが、
化粧を徹底した。

エリザベス女王の
この化粧は、
顔に厚い仮面を
つけているようなもので
表情がつくれない。

笑うなどすると、
白粉がボロボロ
剥げ落ちてしまうから。

この無表情さが
女王としての威厳を
ラーメン二郎のように
ましましにしたでござる。

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エリザベス1世時代の
化粧は、
厚塗りにしているため
1週間は
そのまま維持するのが
当たり前。

顔だけじゃなく、
ドレスから
露出する部分は
すべて同様に
化粧が施してあったため、

鉛と水銀が
身体を蝕んでいった。

化粧を落とす
洗顔料にも
水銀が含まれていたので
肌はどんどん灰色になり
ボロボロになる。

それを隠すために
厚塗りをする。
そしてどんどん
灰色になりボロボロになる。

という

美の悪循環

を、淡々と
生きていた
のでござる。

そのうえ、
つぶらな瞳のために、
瞳孔を開きっぱなし
にしていた。

このために、

命がけの目薬

を点眼し続けていた。

カツラを被り、
白粉を施し
頬紅、口紅をつけ
瞳孔を開き
抜け落ちた歯を
扇で隠し、

威厳ある、
人々を魅了する、
歳をとらない

女王として生きた。

老年期の
エリザベス1世は
苦難の連続に
みまわれる。

凶作も続き、
民衆の不満が
抑えられなくなる。

うつ病になり、
死を恐れて、
ベッドに
横たわることを拒絶し、
鉛中毒の症状を
抱えながら
息を引き取ったのでござる。

ーーーー
ってことで
化粧とは、車内広告で明るく見せるポイント!などと軽く扱われるものではない。

化粧とは

尊厳に関わることでもある

でござる。

拙者、化粧箱のいろいろを調べるのが好きでござるよ。

 

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パンダ侍のプロフィール

あまりの弱さに
天敵に追われ、
争いを避けて、
しぶしぶ笹を食べ始める。
しだいに美味しく
感じれらるようになり、
肉食であるにもかかわらず、
肉をまずく感じるようになった
熊を先祖に持つ。

育ての先生の
気まぐれから、

こやつは笹薮から
世間に出してみよう

ということで、
草むらを転がり、
川のせせらぎをまたぎ、
欄干をスキップして、
東京に生息。

ある日、笹かまを食べ、

こ、これは笹ではない

と、その驚きで、ほっぺが落ち、
その衝撃で震えがとまらなくなり、
その震えから膝ががくっと落ちた、
その瞬間、

本質を見定めよ。

と天啓をうける。

それ以来、
本人の意思とは関係なく
白いしっぽが
陰陽太極図となり
白黒混ざり合う世の中で、
そもそもを斬ることになる。

腰に非常食の竹笹を
さしていたところ、

侍だったんですねー。

と、たまたま勘違いされ、
パンダ侍と
呼ばれるようになり、
現在に至る。

 

 

生息地:世田谷区界隈ときどき旅
職業:パンダ侍
特技:白黒和合流そもそも斬
苦手:常識、規則、喧騒、争い
好物:笹かま
信条:昼寝と愉快を選ぶ

執筆者:小野裕子

食べること、人間観察、木彫を修行とし、
愛と誠と調和、そしてユーモアを信条とし、
対話によって内発と創発を起こす現場づくりを得意とし、
中小企業の理念づくりやブランディング、新規事業開発を通じた組織変容、
また、経営者の自己変容セッションを生業にしている。
日本大学大学院藝術学研究科修士課程修了後、
企画・コンテンツ開発会社で企画ディレクションを経験後、2006年、株式会社つくるひとを創業。
売上高2億~7,700億円規模の組織、業種業態を問わず、創業以来780を超えるプロジェクトを経験。
10年間でのべ3万人の現場会議を中心に据え、対話型の課題解決に関わる。
現場プロジェクトメンバーの個人成長と集団組織の変容を
常に後押しするプロジェクト型のコンサルティングスタイルを貫き、「考え方」や「対話デザイン」を修得してもらいながら、実際の課題解決をすすめる。
幼いときは宇宙人、変人と、揶揄され、学校社会になじめないまま成長したが、実社会では「変人視点」が求められることが増え続け、重宝されている。

ツクリビト株式会社 代表取締役
デキル。株式会社 代表取締役
一社)一般社団法人ビーイング・バリュー協会 理事/マスターコンサルタント

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