この記事について 税金や、助成金、労働法など。法律や規制は、いつの間にか変わっていきます。でもそれは社会的要請などではないのです。そこには明確な意図があります。誰が、どのような意図を持って、ルールを書き換えようとしているのか。意図を読み解けば、未来が見えてきます。
安田
大企業はこれまで新卒中心だった採用を中途にシフトしているそうです。全体の5割に迫る勢いだそうで。
久野
新卒の良さって辞めないとこだったと思うんですけど。そこがなくなっちゃった以上こうなりますよね。
安田
久野
そもそも大企業は100人入れて50人残ればいいという考えなので。
安田
はい。10人残れば十分らしいです。それでも新卒より中途なんですね。
久野
バランスじゃないですか。今までが新卒に偏りすぎていたから。
安田
普通に考えれば、いろんな経験を積んだ人材を増やしたいですよね。
久野
はい。これからは新卒プロパー社員だけで組織を作るのが難しいと思います。
安田
中小企業はどうでしょう。新卒が大好きな経営者も多いですけど。
久野
新卒は厳しいでしょうね。他社が育てた人材をちょっと高い金額を払って採用した方がいいんじゃないですか。
安田
久野
安田
大手がこれまでのような新卒一括採用をやらなくなると、就職活動も変わっていくでしょうね。今まで大手に入るには新卒が有利だったじゃないですか。
久野
安田
久野
そうですね。どこかでキャリアアップすることが大企業に入る近道になるかもしれません。
安田
久野
どこで働けば一番価値が上がるか。その観点だと中小企業は厳しいと思います。大手のように研修が充実していないので。
安田
久野
大企業は新人研修に1年くらいかけますし、3年目研修とかマネージャー研修とか、各段階ごとに充実しています。
安田
研修に力を入れる中小企業でもせいぜい1ヶ月ですもんね。
久野
安田
どうしても社会人としての基礎能力に差が出ちゃいますよね。
久野
はい。自分で勉強しないと視野も狭くなってしまいます。
安田
経済のこととか社会全体の仕組みとか、ほとんど知らないで働いている人が多いですよね。中小企業には。
久野
安田
優秀な新卒を採りたいなら中小企業も変わっていくしかないですね。大手並みに研修に力を入れるとか。
久野
費用対効果を考えると難しいと思います。3年で3割が辞めちゃうわけじゃないですか。
安田
大手も含めて3割ですからね。中小企業だと半分は辞めるかも。
久野
半分も辞めてしまうと採算が取れないですよ。3年でようやく損益分岐点を超える会社が多いので。いずれ中小企業は新卒採用をやらなくなると思います。
安田
久野
美容業界にも「新人を育てる美容院」があるんですけど。明らかにコストパフォーマンスが悪い。育てても辞めちゃうので収益が出ないんです。
安田
久野
給料が安いので回収フェーズになるといなくなっちゃう。だから育てるお店がどんどん減ってきてます。
安田
久野
大卒もそうなっていくと思います。そこそこ戦力にならないともう雇ってもらえなくなる。
安田
新卒よりも中途で就業経験がある方が採用されやすくなると。
久野
今は人不足だからなんとなく採ってますけど、経験者もきっちり見極められるようになっていくと思います。本当に仕事できるかどうかをチェックする。
安田
久野
かなりシビアになると思います。厳しい時代になりますよ。
安田
「新卒で条件のいい会社に入れば安泰」という時代はもう終わりですね。
この対談の他の記事を見る
安田佳生 (やすだ よしお) 1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。