第389回 健全なリモートワークとは?

この記事について 税金や、助成金、労働法など。法律や規制は、いつの間にか変わっていきます。でもそれは社会的要請などではないのです。そこには明確な意図があります。誰が、どのような意図を持って、ルールを書き換えようとしているのか。意図を読み解けば、未来が見えてきます。

第389回「健全なリモートワークとは?」


安田

リモートワークで「バーチャル背景を使っちゃいけない」という謎のルールがあるらしくて。

久野

ありますね。私にはちょっと理解できませんけど。

安田

家の中が見えたりして嫌だと思うんですけど。どういう目的なんでしょう。

久野

家で仕事をしているかどうかの確認でしょうね。旅行先から参加する人もいそうなので。

安田

ちゃんと仕事していればどこにいてもいい気がしますけど。

久野

労災のことを考えると「働く場所を把握していなくてはならない」というのはあります。

安田

なるほど。でもそれは本人が申告すればいい話ですよね。

久野

そうなんですよ。そもそも、そこが本当にその人の家かどうかも分からないじゃないですか。

安田

確かに分かりませんね。ちなみに久野さんの会社はバーチャル背景OKですか。

久野

むしろ在宅の人は「バーチャル背景にしてくれ」と言ってます。

安田

生活感を出さないでくれと。

久野

気になるし。見たくないし。逆に生産性下がりそうなので。

安田

私も見たくないです(笑)あと「リモートワークでの残業禁止」という会社も多いですが。これはどう思いますか?

久野

ウチの場合は上司の許可制ですが必要な仕事ならOKです。

安田

必要かどうかを「リモートでは判断出来ない」という上司が多いみたいですけど。適切な残業かどうか、どうやって判断するんですか?

久野

ウチは完全に仕組み化していますね。1ヶ月の仕事量見て、払う給与に対して見合っているかどうかを検証します。

安田

なるほど。

久野

そういう仕組みがないとリモートワークは難しいと思います。

安田

パソコンのログとかで管理するんですか?

久野

それも可能ですし、うちの場合はそもそも会社のソフトの中で仕事しているので。どのお客さんに対してどういうアウトプットしたとか、どの商品が売れたとか、全部分かります。

安田

それだと誤魔化しようがないですね。

久野

今はAIもありますから。Aさんの仕事履歴を「1ヶ月分レポートで出して」って言ったら出てきますよ。

安田

そこまでやってくれますか。だったら上司が見張っている必要がないですね。

久野

上司が横にいてもサボる人っていますから。席に座ってパソコンをいじっているだけとか。

安田

確かに。そう考えるとバーチャル背景なんてどうでもいい気がしますね。

久野

どうでもいいですよ。ちゃんと投資せずにリモートワークさせるから、こんなことが問題になる。

安田

ちゃんと仕組みが整っていれば会社に来る必要はないと?

久野

いえ。ウチの場合は「現業は必ず会社に来てください」と言ってます。

安田

現業ってどんな仕事ですか。

久野

紙の書類を作るとか。

安田

それはどういう理由で?

久野

家で印刷することを禁止してるから。

安田

なるほど。

久野

そういうセキュリティの問題もあるんですよ。持ち出せない書類もたくさんありますし。

安田

そういうアナログな仕事が多いんですか?

久野

いえ、95%はデジタルです。あとは意識の共有目的で集まったりもします。

安田

実際どうですか?テレワークをいいことに仕事をサボる人って多いんですか。

久野

ウチにはサボる人はいないですね。ただ出社した方が生産性の上がる人もいて。人によって向き不向きがすごくあります。

安田

自己コントロール出来ない人はダメですよね。これはフリーランスも同じですけど。

久野

僕は家にいると全然ダメなタイプです。全くやらなくなる。

安田

意外ですね。私は家のほうが仕事は捗ります。ただフリーランスでも敢えて外で仕事をする人っていますね。

久野

受験勉強もそうじゃないですか。家で出来る人は図書館に行って勉強する必要はないし。

安田

そういうタイプにはリモートワークは不向きなんでしょうね。

久野

リモートワークを導入するなら成果で評価出来る仕組みにないと。後で必ず問題が起きます。

安田

きちんと成果で評価できるなら本人の適性で決めればいいと。

久野

成果で見ないと「サボってないアピール」を一生懸命やるようになるじゃないですか。それがいちばんの無駄で。

安田

確かに。

久野

自宅で「机の前に何時間座ってます」とか言われても意味がない。手段が目的化してる。

安田

座っているだけで給料が払われるということが変ですよね。

久野

成果で評価しないと必ずそうなっていきます。本当は誰しも残業なんてしたいわけじゃない。残業しなきゃ稼げないというのが問題の本質なんです。

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久野勝也 (くの まさや) 社会保険労務士法人とうかい 代表 人事労務の専門家として、未来の組織を中小企業経営者と一緒に描き成長を支援している。拠点は愛知県名古屋市。 事務所HP https://www.tokai-sr.jp/  

安田佳生 (やすだ よしお) 1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

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