国を動かす役人、官僚とは実際のところどんな人たちなのか。どんな仕事をし、どんなやりがいを、どんな辛さを感じるのか。そして、そんな特別な立場を捨て連続起業家となった理由とは?実は長年の安田佳生ファンだったという酒井秀夫さんの頭の中を探ります。
第36回 ジェネリックは本当に効くのか?

安く製造するために工夫をした結果、問題が起きるケースもあるのかもしれないですね。ただ、ジェネリックかどうかに関わらず、日本は基本的に薬が安すぎるんですよ。結果、国が負担する医療費が増えすぎて大問題になっている。

仰る通りです。結局、薬価については、国の定める改定で毎年のように値段が下がり、特許が切れたら別のメーカーがさらに安く製造し、販売することを奨励しています。これでは製薬会社もなかなか大変で、品質の問題が出たりする。

まさに仰るとおりで、結局、医療費削減のために薬の値段を下げているので、究極的には薬代は全額負担にすればいいんです。ただ業界全体として「安くすること」が目的になっている感じですよね。さらに言えば、風邪薬なんて、気休めのために処方している場合もあるわけで。

ああ、確かにそうですよね。ドイツのお医者さんに風邪薬をお願いすると「風邪に薬は必要ないよ」と笑われるそうです(笑)。命に関わるような場合を除き、そもそも意味があって熱や咳が出ているわけだから、本来薬は要らないはずなんですよね。

本当にそう思います(笑)。妻は東洋医学関係の仕事をしているので思うのですが、対症療法はもう必要ないんじゃないかと思うこともあって。深刻な病気になったら別ですが、血糖値の不調や頭痛などについては、体質改善に向けた1種類の漢方を飲むとか、薬膳料理のように食事に気を遣うとかで充分なんじゃないかと。

ああ、そうですよね。皆がそう考えれば国の医療費も削減できますし。そういえば、スウェーデンで子供の虫歯が減ったのは、「治療」ではなく「予防」に力を入れたからだと言いますよね。つまり日本もそっちに目を向ければいいと。
対談している二人
酒井 秀夫(さかい ひでお)
元官僚/連続起業家
経済産業省→ベイン→ITコンサル会社→独立。現在、 株式会社エイチエスパートナーズ、ライズエイト株式会社、株式会社FANDEAL(ファンディアル)など複数の会社の代表をしています。地域、ベンチャー、産官学連携、新事業創出等いろいろと楽しそうな話を見つけて絡んでおります。現在の関心はWEB3の概念を使って、地域課題、社会課題解決に取り組むこと。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。