【高橋健三】第2話「なぜ縄文時代は1万年も続いたのか」|センパイ先生と対談シリーズ

センパイ先生 経歴

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高橋 健三(たかはし けんぞう)
・1960年 大阪生まれ
・1982年 大学卒業後、大阪市内の印刷会社へ就職
・1985年 船場の広告代理店へ転職
・1991年 友人と共に企画会社キッズ・コーポレーション設立し取締役に就任
NTT、松下電器(現パナソニック)、コカ・コーラなど大手企業を数多く開拓し、取締役就任12年間で売上高10億円を達成
・2003年 スマイルマーケティング設立し代表取締役に就任

なぜ縄文時代は1万年も続いたのか

安田
安田

「縄文型ビジネス」と「弥生型ビジネス」という分け方をされてますよね。

高橋
高橋

はい。

安田
安田

簡単に教えていただきたいんですけど、これはどう違うんですか?

高橋
高橋

縄文時代の次に弥生時代があったわけですけど。弥生人というのは農耕型民族でして。計画を立てて、オペレーションを実行して、取れ高をちゃんと考えていたわけです。

安田
安田

すごいですね。

高橋
高橋

今でも我々は事業計画を立てて、営業のオペレーションを実行して、毎月の売上を管理してますよね。

安田
安田

はい。それが「弥生型ビジネス」ということですか。

高橋
高橋

そうです。それに対して縄文人というのは狩猟、漁撈、植物採集などを組み合わせた民族なので。

安田
安田

鹿とかウサギとかイノシシを獲っていた。

高橋
高橋

動物を獲ったり、秋にはクルミとか栗とか木の実を拾ったり、春になったら山菜をとったり。夏は川で魚をとったりしていました。

安田
安田

何でも食べてたってことですか?

高橋
高橋

要するに、日本の春夏秋冬に合わせて、暮らしの周りにあるものを採取して生活を営んでいたということ。つまりは自然体といいますか、直感型といいますか。

安田
安田

ちょっと野蛮なイメージですよね。

高橋
高橋

じつはそんなことなくて。多く獲れたものはみんなで分け合うし。シェアリングとか、自然に感謝するとか、そういう思考の人たちです。

安田
安田

平和な暮らしをしてたってことですか。

高橋
高橋

そうなんですよ。狩猟民族だから野蛮ということは全然なくて。弥生人はルールを守る真面目なタイプ。縄文人は直感型の創意工夫タイプ。

安田
安田

縄文人のイメージが変わりました。

高橋
高橋

人口が減少して市場が縮小していく中で、弥生型の発想だけでは新しいビジネスは生み出しにくいわけです。

安田
安田

真面目にルールを守っているだけではダメだと。

高橋
高橋

そうなんです。客観的なデータではなく、もっと「自分がやりたい」「これが好きだ」という直感を活かして、商品・サービス開発をしていく。

安田
安田

それが縄文型ビジネスってことですか。

高橋
高橋

はい。

安田
安田

狩猟民族って、獲物が取れなかったら飢え死にするイメージですけど。農耕型になって生活が安定して人類が発展したんじゃないんですか。

高橋
高橋

計画的に食料を手に入れられるようになりました。だけど農耕を始めたことによって休みなく働き続ける暮らしになって・・・それが不幸の始まりとも言われてます(笑)

安田
安田

そうなんですね。

高橋
高橋

縄文時代は1万年も続いたんですけど、食べ物を奪い合うための戦争がなかったし、人を殺し合うなんてこともなかったですよ。

安田
安田

え!そうなんですか?野蛮そうなのに。

高橋
高橋

環状集落といってサークル状に家を建てるので、上下関係もない。逆に弥生時代に何が起こったかというと、貧富の差が出てきたわけですよ。

安田
安田

それはどうして?

高橋
高橋

一生懸命働いても、お米があまり取れない棚田みたいなところもあって。一方で、水はけも日当たりもめちゃくちゃよくて、種を蒔くだけでバンバン米ができるところもある。

安田
安田

貧富の差がそこから生まれたと。

高橋
高橋

働いているのに食べ物を得られない。そうすると強奪みたいな話になっていくんです。

安田
安田

「あいつらだけ豊かでズルいぞ!」みたいな。

高橋
高橋

そう。豊かな田んぼはいつ盗られるかわからない。だから「守らなければいけない」となって武装する。豪族という力も金もある人たちが権力を握り出す。という流れですね。

安田
安田

現代社会の縮図みたいな感じですね。

高橋
高橋

「幸せなんですか?」といったら、あまりサステナブルじゃない社会になってしまった。

安田
安田

縄文時代の方が幸せだったと。

高橋
高橋

縄文時代の遺骨を見ても、殴られた痕とか刺された痕がほとんど出てこないんです。

安田
安田

へぇ~。

高橋
高橋

穀物って蓄えられるし、増えていくし。今でいうお金みたいなものが出来てきたんでしょうね。

安田
安田

やっぱり人間は富を蓄えると不幸になるんでしょうか。

高橋
高橋

富が余りすぎると、ちょっといびつな状況になっていきますよね。ピラミッドとか大きな古墳とかも作られるようになって。

安田
安田

たしかに。貧富の差がないとあんなの作れないですよね。

高橋
高橋

権力の象徴みたいなものですから。

安田
安田

十分食えているのに領土を拡大したりしたんでしょうね、きっと。

高橋
高橋

そうですね。今もフードロスといって、もの凄い量の食料が捨てられてます。自然にとっても、動植物にとっても、幸福なことではないですよ。

安田
安田

だから高橋さんは“縄文型ビジネス”を勧めているわけですね。

高橋
高橋

そうです。

安田
安田

直感型ビジネスって4Pと真逆なイメージがあるんですけど。

高橋
高橋

たとえば仏像を見ながらコーヒーを飲む「SEMBA223cafe(船場仏像カフェ)」というビジネスをやったことがあるんですけど。

安田
安田

何ですか?それは。

高橋
高橋

これは完全に直感型でつくったビジネスですけど、4Pでいうと「プロダクト」×「プレイス」にあたるわけです。直感で生み出しマーケティングに落とし込んでいく。

安田
安田

なるほど。両方のバランスが大事ってことですね。

高橋
高橋

バランスも大事ですけどスタートの順番も大事で。シンパシーや共感を得るためには「めちゃくちゃ好きやねん」みたいな話が重要でして。

安田
安田

いきなり調査・分析から入るんじゃなく、まずは直感的に「これやりたい!」「おもしろい!」というものを見つけてから、4Pを考えていくと。

高橋
高橋

はい。そういう順番です。

安田
安田

直感だけじゃダメだけど、調査分析だけでもダメだと。

高橋
高橋

自分の熱意って相手にも伝わりますから。そういうビジネスを見つけると、いちばんハッピーなのかなと思います。

安田
安田

今の仕事のやり方と真逆ですよね。「やりたいかどうか」より「儲かるかどうか」なので。

高橋
高橋

そこに限界が来てる気がします。

安田
安田

まずお金ありきですもんね。「この仕事を1日8時間やってくれたら、給料はこれだけ払います」みたいな。

高橋
高橋

「仕事はつらいもの」とか「時間を切り売りして」とか、「犠牲を払って報酬を得る」という感覚が個人的にはすごく不思議で。

安田
安田

「報酬は我慢の代償だ」というのが社会人の常識ですよ。

高橋
高橋

仕事とは新しい価値を生む活動なので。ある意味クリエイティブで楽しいことなんですけど。

安田
安田

私もそう思います。

高橋
高橋

どうせ仕事をするなら、つらいより楽しいほうがいいですよ。

安田
安田

「楽しいことでメシが食えるか」って、思っている人のほうが多いです。

高橋
高橋

そうですね。でもこれからは「自分が楽しめること」「やりたいこと」をスタート地点にしたほうが、ビジネスもきっとうまくいくと思います。

安田
安田

そうあって欲しいです。

高橋
高橋

今はネットも普及して、いろんなことをやれる環境が整ってます。これだけ選択肢が広がっている中で「毎日、満員電車に揺られて会社に行って仕事をする」というのは、ちょっともったいない。

 > 第3回「 そのビジネスは美しいのか? 」へ続く

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