住宅業界(新築・リフォーム・不動産)の「課題何でも解決屋」として20年以上のキャリアを持つ株式会社ランリグが、その過程で出会った優秀な人材を他社に活用してもらう新サービス『その道のプロ』をスタートしました。2000名以上のスペシャリストと繋がる渡邉社長に、『その道のプロ』の活用方法を伺う対談企画。
第60回 いいことづくめな「社員の業務委託化」
そうそう。しかもね、そういう人って他の部署からも頼みたい仕事がいっぱいあったらしいんです。だけど発注の流れは決まっているし、社員で給料も固定だから申し訳なくて頼みづらかったと。
ははぁ、それが業務委託、つまり個人事業主になったことで、部署関係なく依頼を受けられるようになったと。めちゃくちゃいいことですね。
そうなんです。だからタニタさんの取り組みはすごくいいなぁと思っていて。住宅業界でも取り入れればいいのにって思うんですけど、どうです?
ああ、確かにそうですよね。考えれば考えるほどいいところばかりだ。ちなみにタニタさんの業務委託では他社の仕事も受けられるようになってるんでしたっけ?
受けるのはOKなんですけど、「できれば社内の仕事だけで給料を増やしてほしい」というのが社長の想いで。もともと社内発注というか、自立した社員を生み出すための仕組みなので。実際社内の仕事だけでけっこう稼げちゃってるみたいですね。
それがおもしろいところで、タニタさんの業務委託第1号が、なんと当時の人事部長なんですよ。「業務委託の仕組みを作るのに、まずは自分が第1号にならないと他の社員に勧められない」と。
で、リリースしてみたら、初年度から希望者が何人も集まって。逆にその制度がなかったら辞めようと思っていた人もいたらしいです。
この業務委託契約自体が3年契約になっているんですけど、最初の3年間は前の給料を保証する形で、社会保険料も上乗せした金額で契約するんです。今までよりも活躍していれば次の年は増えるし、活躍してなければ減らさないと契約しないとか。
それも可能なんですけど、もう一度入社試験を受け直さないといけないみたいですね。
やっぱり人材が抜けていくことじゃないですかね。優秀な人材が業務委託になることで他に行ってしまうんじゃないかって。
ああ、なるほど。でも実際は、そうやって囲い込もうとすればするほど辞めていってしまうんですよねぇ。辞めるはずだった人の何割かでも業務委託で残ってくれるなら、やらない選択肢はない気がします。
そうなんですよ。そんなことをしたら社員がいなくなるだろうと言う人もいますけど、そういう制度を取り入れている会社ほど定着率がいい。
いや、業務委託だったら業績が悪ければ仕事を発注しなければいいだけなので、逆に経費は抑えられると思います。赤字社員を抱えて、非生産的な仕事をやらせるようなこともなくなるわけで。
対談している二人
渡邉 昇一(わたなべ しょういち)
株式会社ランリグ 代表取締役
1975年、大阪市に生まれる。大学卒業後、採用コンサルティング会社ワイキューブに入社。同社の営業、マーケティングのマネージャー、社長室長及び、福岡などの支店立上げを担当し、同社の売上40億達成に貢献した。29歳の年に株式会社ラン・リグを設立し、今期20期目。述べ900社以上の住宅会社のマーケティング、人材コンサルティング支援と並行し、500店舗以上が加盟するボランタリーチェーン「センリョク」など、VC、FC構築にも多数携わる。また、自身が司会を務め、住宅業界の経営者をゲストに招き送る自社のラジオ番組は、6年間で、延べ300回以上の配信を経て、毎月2万人以上の業界関係者が視聴する番組に成長した。今年5月には、2000人以上のプロ人材とのネットワークを生かした~社長の右腕派遣サービス~【その道のプロ】を本格リリース。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。