Googleではなく

もはやGoogleは単なる1企業ではない。
その検索結果から除外されるという事は、
web世界において「存在しないに等しい状態」を意味する。
実際、業績好調だった企業がGoogle検索から除外され、
廃業寸前にまで追い込まれた事例もある。
それほどまでに、Googleの影響力は絶大なのである。

WebとはGoogleから始まる世界であり、
Google抜きにweb戦略を考えることはもはや不可能だ。
にもかかわらず、なぜ企業は
Googleから検索除外されるような真似を繰り返してしまうのか。
それはひとえに、上位表示を勝ち取るためである。

Googleが駆使する最先端の検索ロボット。
そのお眼鏡に適うことが出来れば、
有益情報として上位表示を勝ち取ることが出来る。
それが即ちSEO(検索エンジン最適化)の基本姿勢である。
Googleのロボットに有益情報であると判断させる技術。
それはつまり、Google側から見たズルなのである。

Googleが考えていることはシンプルだ。
検索した人にとって、最も有益な情報を上位表示すること。
これに尽きる。
では、「検索した人にとって、最も有益な情報」とは何か。
そこには明確な答えが存在しない。
だからこそ、Googleの検索機能は変化し続けているのだ。

最も有益な情報とは何かを考え、
無数にある情報の中からそれを見つけ出すこと。
それがGoogleの検索ロボットの使命であり、
そのロボットを開発することがGoogle社員の使命でもある。

これを企業側から考えるならば、
配信すべきは「最も有益な情報」ではなく、
最も有益な情報だと「Googleロボットが判断するであろう情報」
ということになる。
かくして、Googleロボットと、検索されたい企業との、
技術競争が勃発するのである。
キュレーションサイトもそのひとつだ。

たとえばファッションに関して書かれた記事を
たくさん集めて来る。
元の記事に少しだけ手を加え、
オリジナル(っぽい)記事を量産する。
その目的はもちろん、上位表示である。
検索者が欲しい情報が一カ所に集まっている。
それをGoogleロボットは、有益サイトであると判断するから。

だがその判断はGoogleによって修正されつつある。
当然のことながら、
量産されたコピー記事を大量に見せられることは、
検索者にとってのメリットではない。
だからGoogleは上位表示の基準を変える。
これまでも、これからも、
Googleとのイタチごっこは続いていく。

このイタチごっこから抜け出す方法。
そして、小さな会社が大きな会社よりも
上位に表示される方法が、ひとつだけある。
それは、Googleと争わないこと。
Googleのロボットではなく、
Googleのビジョンを追いかけるのだ。

それは即ち、検索者にとって、
最も有益な情報を提供するということ。
当たり前の話なのだが、検索者が欲しいのは、
質の悪い無数の記事ではない。
迷える自分に「答え」もしくは
「明確なヒント」を与えてくれる記事。
本当に良い記事を書き続けていけば、
必ずGoogleはその情報を見つけ出す。
なぜなら、それが彼らの使命だから。


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