どういう職場で人は働きたくなるのか。
どのような商品を人は買いたくなるのか。
それを考え、求人原稿なり、
商品ページなりをつくり込んでいく。
写真やイラストも加え、時には動画も駆使して、
そのクオリティーを上げていく。
良い人がたくさん集まるように。
問い合わせが増えて商品がたくさん売れるように。
だが、そこまでやっても効果が出るとは限らない。
一生懸命つくっているにもかかわらず、
まったく人が集まらない。
まったく商品が売れない。
そんなことはザラである。
では効果が出る原稿と、効果が出ない原稿は、
何が違っているのだろうか。
その根底にあるもの。それは感じる力である。
こういう順番で話をすると相手はどう感じ、
どのように反応するのか。
それを感じ取る力。
求人広告に良いことばかりを並べてしまう人。
ターゲットを広げすぎてしまう人。
商品説明をやたら詳しく書きたがる人。
こういう人たちは残念ながら、
人を集めるという仕事に向いていない。
彼らに共通するのは頭で考え過ぎてしまうことである。
どういう会社で人は働きたいのか。
どういう人がこの商品を買いたくなるのか。
どうやったら商品の良さが伝わるのか。
それを頭で考えてしまう。
計算して答えを出そうとすると、
答えは必ずひとつの方向に向かう。
すなわち誰が見ても良い求人。
みんなが買いたくなる商品。
多くの人が得だと思う価値。
だがそんなものには人は集まらないのである。
なぜならそんな職場、そんな商品など、存在しないから。
つまり何も言っていないに等しいから。
人が集まるメッセージ。
そこに共通しているのは目的が明確なことである。
誰に向けたメッセージなのか。
どう感じてもらうためのメッセージなのか。
それが明確なのだ。
やるべきことはまず、たったひとりを思い浮かべること。
メッセージを届けたいターゲットの中のターゲット。
その人になり切る。
なりきった上でメッセージを読む。
私はそのメッセージに心引かれるだろうか。
なんか素敵な職場だなあ。
すごく興味をそそられる商品だなあ。
なり切った私自身がそう感じるかどうか。
ここにセンスの差が現れる。
多くの人は売る側、採る側の思考が抜け切らない。
結果、相手の感情に寄り添うことができず、
表面を取り繕ったメッセージが出来上がってしまう。
マーケットの反応を計算するのではなく、
私自身の心の動きに敏感であること。
それが感じる才能。
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