失敗は成功の母だと言われる。
もちろんその通りである。
絶対に失敗するなと言われたら、
それは死ねという宣告に等しいだろう。
スポーツしかり、ビジネスしかり、
結婚しかり、子育てしかり。
10割打てるバッターも、1度も失注したことがない
営業マンも、相手を傷つけたことがない夫婦も、
間違えた子育てをしたことがない親も、
現実の世界には存在しない。
多くの失敗を積み重ね、そこから学び、
人は少しずつ成功に近づいて行くのである。
ここに異を唱える人はいないだろう。
だが最近の若者は極度に失敗を恐れるという。
間違った質問をしたくないから質問しない。
それでは成長しようがないではないか。
だから大人たちはこう言う。
どんどん失敗しなさい。
それは正しいことだよ、と。
だが本当にそれは正しいことなのだろうか。
失敗を極度に恐れていては前に進めない。
これは事実である。だが失敗ばかり
していたら、やはり前には進めない。
だからある程度の確率で成功することも必要だ。
ではある程度の確率で成功するには何が必要か。
失敗から学ぶこと。
つまり同じ失敗を繰り返さないことである。
そして致命的な失敗を避けること。
“これをやったらおしまい”という失敗は
避けねばならない。
車道に飛び出す子供を親が止めるのは、
まさにこれだろう。
轢かれて学びなさい、
というわけにはいかないのだ。
同じ失敗を繰り返さない。
致命的な失敗を避ける。
失敗への対処はこれで十分だろうか。
いや、もうひとつ、とても重要なことがある。
それは失敗との相性だ。
失敗から学べるかどうか。
致命的な失敗となるかどうか。
それは失敗との相性によって変わる。
どんな失敗からでも人は学べるという説は
間違いではないが現実的でもない。
なぜなら人生は限られているからである。
そして能力や性格は人によってぜんぜん違う。
失敗から学びたいのであれば
失敗を選ばなくてはならない。
私に致命傷をもたらすのはどの失敗なのか。
致命傷となる失敗以外はどんどん受け入れる。
私を成長させるのはどの失敗なのか。
見極めるべきは、失敗しても
諦めないでやり続けられる失敗である。
失敗に向き合い、失敗を受け入れ、
失敗を回想し、失敗した原因を考え続ける。
そんなことができるのは心底好きなことだけである。
好きだから好奇心を持ち続けられる。
心から成長したいと思える。
失敗から学べないのは、その選択を違えているから。
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