オンリーワン企業のつくり方

経営者の仕事が大きく様変わりしようとしている。
ひとことで言えば管理業務からクリエイティブ業務へ。
少なくとも中小企業において
この変化は決定的なものとなるだろう。

儲かりそうな事業に投資し、
必要な従業員を集め、効率よく管理する。
それがこれまでの経営者の仕事。

ビジョナリーな事業を立ち上げ、
共感してくれる人が集い、
一人ひとりに合った役割を丁寧につくり出す。
それがこれからの経営者の仕事。

事業+人材+役割という図式は変わらない。
同じじゃないかと感じる人もいるだろう。
だがそれは似てまったく非なるものだ。

まず事業の目的が違う。
儲かる事業ではなく、
何らかの社会的役割を持った事業。
人の集め方が違う。広告で集めるのではなく、
自然と人が集まってくる。

いちばんの違いは人と仕事の組み合わせである。
仕事に人を当てはめるのではなく、
人に合わせて仕事をつくり出す。
そんな効率の悪いことができるかと言われそうである。
だがこれ以外に小さな会社が生き残る方法はない。

そもそも誰がやっても儲かりそうな事業は
今では絶対に儲からない。
あっという間に競合が増えて
価格競争になってしまうからだ。

求人もまた同じ。今ある仕事に合わせて、
できるだけ優秀な人を、可能な限り安く雇用する。
ここでも他社との熾烈な競争が起こる。
もはや安くて優秀な人材を確保し続けることは不可能だ。

採用費も人件費もどんどん高くなっていく。
そのくせ大して仕事はできない。
ちょっとプレッシャーをかけたら辞めてしまう。
これで儲かるわけがない。

ではどうすればいいのか。
答えは先ほど述べた通り。
真逆のことをすればいい。
社会的な価値はあるが儲かるイメージが湧かない事業。
ここを儲かる事業に変えていく。

まずは採用に極力コストをかけないこと。
働きたい人が集まってくる仕組みを
ビジネスモデルに組み込んでしまう。
これは儲けが先に立たない事業だからこそできることだ。

次に集まった人をやる気と本気で選別する。
やる気があるのに成果が出ないのは、
仕事と能力が合っていないからである。
先に仕事をつくるのではなく、採用した人に
合わせてその能力が最大化する仕事を考え出す。

もちろんその仕事は事業利益に
貢献するものでなくてはならない。
面倒で、非効率で、いびつな組織が出来ていく。
他社は絶対に真似ることができない。
なぜなら同じ人間はいないから。
そしてオンリーワン企業が完成する。

 

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1件のコメントがあります

  1. コラムの内容は、中々難しい経営者の業務と感じましたが、やりがいがあるとも感じました。コラムの作成と配信、ありがとうございます。

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