スモールビジネスの集客

企業規模をどんどん拡大したい。
そう望むのなら間口は広げていくしかない。
商品ラインナップを増やし、価格も下げる努力をし、
より多くのお客さんにアプローチしていく。
広告や営業マンの数も増やしていかなくてはならない。

これとは反対に、ひとりで稼いでいきたいなら
絶対に間口を広げてはならない。
やるべきことはその真逆。
すなわち間口をどんどん狭めていくのである。
商品をより深掘りし、尖らせていく。
価格もできる限り上げていく。

間口が狭くなればターゲットとなる顧客も減っていく。
その数が1%以下になるまで徹底的に絞り込む。
ひとつのキーワードでたくさんの
PVを得たいなら、間口は広げる。
複数のキーワードでピンポイントの
PVが得たいなら、間口は絞り込む。

広く、数多い問い合わせに対して、
さまざまなアピールポイントで顧客を口説く。
これが拡大戦略の基本である。
狭く、数少ない問い合わせに対して、
相性抜群の優良顧客を確実に取り込む。
これがひとりビジネスの基本である。

3つぐらいのキーワードを組み合わせた
マニアックな検索。
そこにピッタリ当てはまる商品が出てきた時、
人は問い合わせずにはいられない。
それはまさに「私のための商品」
「私のためのサービス」に見えるからである。

広告費も営業時間も使えず、
受けられる仕事の量も限定されるのが、
個人ビジネスである。
数多くの問い合わせを作るコストも、
それに対応する時間もない。
やるべきはストライクゾーンど真ん中の問い合わせを、
月に数件確実につくることである。

網を広げることでたくさんの魚を捕まえるのか。
仕掛けを工夫することで
狙った魚をピンポイントに釣り上げるのか。
同じビジネスでもそのやり方は180度違う。
では拡大路線ではなくひとりでもない中小企業は、
どうすればいいのか。

これはもう決めるしかない。
拡大するのか、もしくはニッチなビジネスにいくのか。
ニッチを目指すならひとりビジネスと同じ、
広告費と営業コストの削減を徹底すべきである。
そのために商品を尖らせ顧客を絞り込む。

社員数人で作り上げる狭くニッチなビジネス。
それを複数組み合わせることで組織全体の収益を確保する。
非常に面倒なやり方ではあるが、拡大路線(価格競争)でない
企業が生き残る道はこれしかない。
小さく絞り込むほど真似する企業は減っていき、
顧客もスタッフもどんどん集めやすくなっていくのである。

 

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1件のコメントがあります

  1. コラムの内容は、一人企業又は家族経営(数人)の方向性にぴったりな考えです。
    コラムありがとうございます。

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