売るチカラ

モノを売る力。それは人生に安定をもたらす大きなピース。売る力があればフリーでも食っていけるし、条件の良い就職先を見つけることも容易い。セールスを生業とする人は当然のこと、あらゆる職業人が兼ね備えておいた方がいいスキル。それが売る力なのである。

ではどうやれば売る力が身に付くのか。大きく分けて方法はふたつある。そのひとつ目は自分ブランドを高めること。業界で有名な〇〇さん。ずっと信頼して付き合っている〇〇さん。こういうポジションが出来上がるとセールスはとても楽になる。「〇〇さんが奨めるのだからいい商品なのだろう」と商品に付加価値がつくからである。

発信が得意なら業界の中での自分ブランド、人付き合いが得意なら相手の中での自分ブランドを、コツコツ作っていく。やるべきは徹底したギブである。前者なら役に立つ情報を発信し続けること。後者なら相手の役に立つ行動をし続けること。

ふたつ目の方法は商品説明力を磨くこと。同じ商品、同じサービスであっても、買う理由は人によって違う。「どのような商品説明をしたら欲しくなるのか」は相手によって変化するのである。目の前にいる相手のニーズ、困りごとや願い、それらをベースとしたオリジナル商品説明。それを練り上げる。

「甘くて美味しい果物」なのか、「健康に良い果物」なのか、「プレゼントしたら喜ばれる果物」なのか。相手をじっくり観察し、そのニーズに合わせて商品説明を作り替える。

自分ブランドを高め、相手に合わせて商品説明を変える。これが売る力の基本だ。そしてそれを生み出しているのは自分自身の人間力。マーケティング手法は時代によって変わるが人間力の基本は変わらない。行動力、観察力、思考力、想像力、共感力。売りたいならこの5つを磨くこと。

とくに重要なのは観察力と想像力である。同じものからどれほどの情報を取り出せるのか。そして膨らませることができるのか。そのベースとなっているのが好奇心だ。好奇心を失わないために、損得を超えて興味のある分野を深掘りし続けること。これが人生を支えるスキルとなっていく。

最後に力の出しどころについて。セールスは最初の5分で決まる。レスポンスの速さと質に全エネルギーの7割を集中すること。これだけで売る力は飛躍的にアップする。逆に言えばどんなにスキルが高くても最初の5分で見限られたら終わりなのである。

 

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