時間を売る時代の終焉

ビジネス書が、いや本そのものが
売れなくなって久しい。
現代人はすっかり本を読まなくなってしまった。
その理由はスマホである。
出版社のライバルが出版社であった時代。
それはまだ本が売れていた古き良き時代だ。

今や出版社のライバルはスマホである。
これまで本を読んでいた時間は
すっかりスマホに奪われてしまった。
この話を聞いて「出版社も大変だね」と思うような
経営者は先が怪しいと言わざるを得ない。

スマホという新たなライバルが現れた。
インターネットの登場でマーケットが変化した。
もちろんそれは事実である。
だが真に注目すべきポイントはそこではない。
現代人にはもはや余暇がない。
これこそが最も重要なポイントなのである。
分子ではなく分母が変化したのだ。

たとえば米国のメジャーリーグや
欧州のプロサッカーリーグ。
トップアスリートの報酬は数十億円と言われている。
それを支えているのがテレビの放映権だ。
だがメディアはそこにお金を払わなくなっていく。
なぜならスポーツを見る人が減っているからだ。

これは人気の低迷などという簡単な問題ではない。
根本にあるのは現代人の余暇不足だ。
仕事が終わった。さあ何をして楽しもう。
現代人はそこに無限の選択肢を抱えている。
ゲーム、読み放題のマンガ、ショッピング、
友達とのコミュニケーションなどなど。

ありとあらゆる趣味の団体、
ありとあらゆるイベント、
ありとあらゆるお店。
お金を払って買い物するだけではない。
自分が持っているものや、
作ったものを販売することもできる。

コロナが落ち着けばスポーツファンは戻ってくるのか。
これは簡単ではない。
なぜなら人々はその余白に他の何かを
入れてしまったはずだから。
再びスポーツを観戦させるためには
今やっている何かをやめさせなくてはならない。
これは趣味や遊びに限った話ではない。

リモートワークで会社員は
通勤時間を別のものに置き換えてしまった。
通勤は再びその時間を取り戻すことができるのか。
人には24時間という限られた時間しかない。
そこにはもはや余白がないのだ。
スポーツ観戦、音楽鑑賞、読書、ゲーム、
通勤、仕事、外食、家族。
すべてが時間を奪い合うライバルだ。

時間を売って金を得るという時代は
間もなく終焉するだろう。
新しく始まるのは時間を集める時代だ。
いかに人々から時間を提供してもらうか。
時間を集めたものが次世代の勝ち組となるのである。

 


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