第82回 アメとムチの使い分け

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/ アメとムチの使い分け

某大手さんにて、人事部門主催のミーティングに参加させていただきました。

「『部下育成』についての意見交換の場」ということで、40代半ばを中心に10名の管理職が集まりました。

どなたかの
「こちらは親子のような気持ちで愛情を持って接しているのに、反応が薄い若手の育成に困っています。。」

「どうやって『アメとムチ』を使い分けて良いのかわからない」のご発言を発端に、「効果的な使い分け」についての意見交換が進んでおりました。

◆アメ
・具体的な行動や成果を人前で褒めている(人前で褒めるのは恥ずかしいけれど、明るい声で!)

・前向きな態度、やる気が感じられる発言について、賞賛している(笑顔で熱い想いを持って!)

◆ムチ
・やる気がない素振りが見えたら、徹底的に厳しく注意する(伝わるまで何度でもあきらめない!)

・あえて高い目標を設定し、その目標をなんとしても達成するんだ、と叱咤激励する(相手の成長を心から信じる!)

「部下育成のために実践していること」がいくつも上がっていましたが、おおむね上記のような内容でした。

オンラインの場でしたが、終了後に議事録をとっていたYくん(3年目:26歳)とふたりで話す機会があり、彼の言葉が印象的でした。

「驚きますよね。。ウチの管理職の多くは『アメとムチ』の使い分けができれば部下育成ができるって、本気で思っているんですよ。。」

「勝手に、アメだの、ムチだの、思っているのでしょうが、『伝えられた側がどう感じるか』が大切ですよね?」

「アメとムチの2つしか使えない、『二重人格上司』ばかりで、ひと昔前の時代の上司ってラクな仕事だったんですねw」

Yくんの感想は、議事録には当然残さないとのことでした。。

 

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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