その226 腹をくくる

人生、決断をしなければいけないときがどうしても発生します。
社会で責任ある人、組織で立場のある人であれば、それが頻繁にあるかもしれません。そうでない人間でも、完全にさけることはできません。

たとえば進学。その学校や専攻に進むことが自分の人生のベクトルに相当な影響を与える可能性は高い。でも、進む先については用意された下見とパンフレットの情報とネットの評判くらいしかわからない。
たとえば結婚。恋愛は理想的でもそこから終生のパートナーとしたときの相性は未知数。価値観が生活のディティールすべてで一致することを期待する方が非現実的だし、あるときを境にがらりと性格が変わってしまうことだってあるかもしれない。自分自身もふくめて。
そんな風に、先に対する保証は絶対に得られない、だがなにかしらの決断を示さなければいけないということはあります。

仕事に関することでいえば、このテーマの多くは
「往くか留まるか」
の決断に収斂することになるかと思います。
そして世間で伝え聞くところでは、「往く」決断の方が圧倒的に結果を残しています。

闇がたちこめる先に何があるかわからない、だがそこに勇気を携えて足を踏み出した……そして今に至る。そういうストーリーは、個人的経験からビジネス伝説まで、あまた語られつづけています。
考えてみれば不思議なことです。往くか留まるか本気で迷う難しい問題ならば、単純に確率は50%なのに。

この説明のひとつがいわゆる生存者バイアスです。生き残った者だけが結果を口にできる。
ただ、ほかの理由も有力です。

どんなに深く考えても細部まで検討しても、手持ちの材料では答えが出ない。そのとき、人間を動かすのは完璧な合理的判断へのあきらめを変換した、むしろ非感情的な行動力です。表情を変えずに往くと決めた行動に全振る。要するに「腹をくくる」ことで成功の確率が上がる、という構図です。

そしてもうひとつが、逆に、深く考えてもいなければ細部まで検討してもいなかった場合です。わからないから考えても仕方ない、という、違う意味で腹をくくってしまった場合です。おそらく、このときの決断の成功率は5割を切るでしょう。コインの表裏を決めるギャンブルより全体の難易度は高いからです。

そして、そういった行動を取る層もまた、「往く」成功物語をひとまわり補強することになるでしょう。もちろんそれは、まれに成功した事例だけを必然として語りつづけ、擦りつづけるからです。
 

 

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著者自己紹介

「ぐぐっても名前が出てこない人」、略してGGです。フツーのサラリーマン。キャリアもフツー。

リーマン20年のキャリアを3ヶ月分に集約し、フツーだけど濃度はまあまあすごいエッセンスをご提供するカリキュラム、「グッドゴーイング」を制作中です。

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