「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。
第170回 社員の産休は「お互い様」の精神で支え合う

中辻さんは、女性がどんどん社会進出してバリバリ稼ぐことに大賛成されていますよね。でも世間的には、「稼ぐ女性が増えると、結婚する人や出産する人が減る」なんて言われていたりもするじゃないですか。それについてはどう思われますか?

そうですね。まあ現実問題、特に人手が足りない中小企業なんかだと、産休・育休で誰かが一人抜けるだけで仕事が回らなくなってしまう。だから仕方なく新しい人を雇うことになり、結果、産休明けの復帰枠がなくなってしまう、なんてことが起きている。

確かに「長期でお休みすると元のポジションには戻れない」という会社なのだったら、結婚も出産もやめておこうと思う女性が増えるのも仕方ない気もします。ただね、私は既存社員の復帰を待つほうが、絶対いいと思うんですよ。

だって代わりを補充するにしても、採用コストがかかりますよね。しかもその新しい人が一人前になるまでには1〜2年はかかるし、教育をしたからといって前任者と全く同じレベルになるかも未知数。だったらもう、産休の子が戻ってくるのを待っていた方がはるかに良いと思いません?

はい。とは言え、まだ出産前ですし、なかなかすぐに決められることではないのもわかっているんですけど。でもまずは彼女の方向性を聞いた上で、会社としてどうやって支援や協力をするべきかっていうのを考えるのが私の仕事だと思っています。

もちろん残念ではありますけど、無理に引き止めることはしないですね。彼女の人生なので。ただその場合は、「引き継ぎもしなくちゃいけないから、まだあなたがいる間に新しい子を採用するので、鍛えてやってくれる?」みたいに言うと思います。

なるほどなるほど。中辻さんの会社では、まずは産休に入る社員がどうしたいかをしっかりヒアリングし、会社はその実現に向けて最大限フォローする、と。多くの中小企業でも、そういった良い制度が定着していくといいと思いますけど、まだまだ「産休で人が抜けると、そのしわ寄せが他の人にきて不公平だ」みたいな風潮はありますよね。

私はそれが本当に悲しいなと思うんですよね。だってそんなの「お互い様」じゃないですか。たとえ自分が今は未婚でもこれから結婚・出産するかもしれないし、親の介護をするかもしれない。誰にでもそういう可能性があるのであれば、残ったメンバー皆で少しずつ力を出せば、1人の不在期間くらい乗り越えられる気がします。

なるほどなぁ。ところで、ひと昔前は男女で給与に大きな格差がついていて、女性は生活のために結婚せざるを得なかった側面もありました。でも今は、男性以上に稼ぐ女性も珍しくない。そうなるとますます「結婚する必要なんかないわ」っていう女性も増えると思うんですけど、中辻さんはそういう考えは理解できます?

私にとっては「結婚」と「収入」って、全然別物というか。そもそも私も今までに何度か(笑)結婚しましたけど、相手の収入を頼りにして結婚したことは一度もないですし。だからやっぱり仕事を続けていく上でネックになるのは「出産・育児」に直面した時なんだと思うんです。出産・育児がしづらい環境だったら、結婚にも二の足を踏んでしまうじゃないですか。

いやぁ、素晴らしい。中辻さんの会社が成長し続けている秘密がまた1つわかりました!
対談している二人
中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役
1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

















