第347回 「ついで」を「わざわざ」に

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/「ついで」を「わざわざ」に

 

コンビニに行く理由といえば…

近くにあるから。通り道にあるから。今すぐ必要なものが買えるから。

そんな私たちの暮らしに、“少し違う来店理由”をつくろうとしているのが、ファミリーマートさんです。

7月半ば、東京・麻布台に開業した初の旗艦店「FAMIMA PARK AZABUDAI」

目指すのは、“わざわざ行きたくなるコンビニ”。⁠

店外からコーヒーやファミチキを買えるスタンドに、試着室を備えた衣料品売り場。

コンビニで試着??

急な泊まりで下着を買うことはあっても、服を選ぶためにコンビニへ出かけるとは、なかなか新鮮です。

「足りないから買う」に、

「気に入ったから買う」が加わる。

同じ衣料品でも、お客様が手を伸ばす理由が変わってくるのです。

この動きは麻布台だけにとどまりません。

9月1日には、旗艦店で展開した「FAMIMAの世界観」を伝えるキーホルダーやボールペンなどの新商品を、全国で数量限定発売しています。⁠

さらに9月4日からは、47都道府県それぞれの花をテーマにした「ご当地ラインソックス」が、各地域の店舗限定で順次登場しました。⁠

旅先で、その土地のファミマに靴下を探しに行く。

どこにでもある身近なお店が、そこでしか出会えないものを買う場所にもなるのであります。

興味深いのは、便利さに加えて、“出かける楽しみ”をつくろうとしていることです。

これは、私たちの仕事にも通じることかと。

頼まれたことに、早く、正確に応える。

もちろん、大切なことです。

そのうえで、

「あの人に相談すると、新しい視点がもらえる」

「あの会社と仕事をすると、少し面白いことが起こる」

そんな期待まで持っていただけたら、選ばれる理由は増えていきます。

ただ、目新しいものを並べれば、また来ていただけるわけでもありません。

一度の驚きを、次の楽しみにつなげられるか。

特別な店舗での挑戦を、日々の買い物にも広げられるか。

ファミマの取り組みは、そこからが面白くなりそうです。

近いから立ち寄る。

ちょっと遠くても、行ってみたくなる。

その距離を埋めるのは、お客様の中に生まれる期待なのかもしれません。

ところで、少々遠くても気になる酒場には出かけてしまうワタクシ。

「わざわざ」の力には、日頃からずいぶん動かされているのであります…

 

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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