国を動かす役人、官僚とは実際のところどんな人たちなのか。どんな仕事をし、どんなやりがいを、どんな辛さを感じるのか。そして、そんな特別な立場を捨て連続起業家となった理由とは?実は長年の安田佳生ファンだったという酒井秀夫さんの頭の中を探ります。
第27回 移民を受け入れた日本の明るい未来
だけど現実として、既に移民はたくさん入ってきていると。
そういうことです。ちなみになぜ増えているかというと、まず産業界が安い労働力を必要としたからですよね。
ああ、やっぱりそうなんですか。
そうですよねぇ。そういう意味ではやっぱり「黙認してる」って感じですよね。ちょっと話は変わりますけど、日本人って外国人が日本国籍を取得したり、日本の土地を買ったりすることに妙に神経を尖らせませんか?
日本人だったら遠慮して言えないことでも、彼らはガツンと言うじゃないですか。そういう方が投票権を持ったり、あるいは彼ら自身が政治家や官僚になっていったら何か変わっていきそうな気もするんですけど、どうですか。
個人的には、既にその種は出てきている気がします。ラグビーのワールドカップで、リーチ・マイケルのように日本に帰化した人たちを皆が日本人だって応援してるのを見て、多様性が1歩進んだ気がしました。
確かに昔だったら「いやお前日本人じゃないだろう」ぐらい言いそうですもんね。それが今だと皆が普通に応援しますもんね。
今活躍しているラグビー選手が高校生ぐらいのとき、「お前は日本人じゃない」と言われたという記事を最近見たんです。でも、今の子供たちの世界だと、冒頭安田さんが話されたようにクラスにそういう子が当たり前にいるんですよね。そういう意味でも私たちの時代とは感覚が違ってきているはずで。
そうですよね。人口が5000万人ぐらいになったとき、そのうち2000万人は元外国籍でした、というような状況になってきたら、日本の未来は明るくなる気がするなぁ。
そうですね。宗教観を含め、日本の文化やコミュニティに馴染めるかどうかがポイントなんだと思います。日本のコンビニで働いている分にはいいけど、例えばアラブのものしか売らない店をあちこちで始めて、そこに外人さんがたむろしてると「怖い」と感じる日本人も増えるでしょう。
千葉の松戸などが典型ですが、外人さんが多いインターナショナルな都市も増えてくるかもしれませんね。海外にもリトルトーキョーみたいなのがありますし。
西葛西のインド人街とか、そういう場所はあちこちにありますよね。
国を運営する上で「労働力の確保」は重要なので。今の制度の全体を壊さないように、人権にも配慮しつつ、うまく取り入れる方法を模索している。そんな感じでしょうね。
対談している二人
酒井 秀夫(さかい ひでお)
元官僚/連続起業家
経済産業省→ベイン→ITコンサル会社→独立。現在、 株式会社エイチエスパートナーズ、ライズエイト株式会社、株式会社FANDEAL(ファンディアル)など複数の会社の代表をしています。地域、ベンチャー、産官学連携、新事業創出等いろいろと楽しそうな話を見つけて絡んでおります。現在の関心はWEB3の概念を使って、地域課題、社会課題解決に取り組むこと。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。