この対談について
株式会社ワイキューブの創業・倒産・自己破産を経て「私、社長ではなくなりました」を著した安田佳生と、岐阜県美濃加茂エリアで老舗の葬祭会社を経営し、60歳で経営から退くことを決めている鈴木哲馬。「イケイケどんどん」から卒業した二人が語る、これからの心地よい生き方。
第97回 「政治家」もひとつの職業に過ぎない
第97回 「政治家」もひとつの職業に過ぎない

ははぁ、面白いですね。弁が立ったり人望を得るのがうまい人が、「政治家」という商売をやる。するとそこに国や自治体というスポンサーがついてお金が出てくると。…まるで力士とタニマチとか、アイドルとファンみたいな関係ですね。

そういうことです(笑)。そしてそれは政治家だけじゃなくて、ほかも同じなんです。例えば医者もそうですよ。人の命を助ける崇高な人たちって思われているけど、実際は数ある「職業」の中のひとつに過ぎない。だからじゃんじゃん金儲けしたっていいわけで。

むしろ「商売」として成り立たせるなら、しっかりと稼げないといけませんもんね。一見無駄に思えるような治療でも、それを必要だと思う患者さんがいて、ちゃんと売れているなら、それはビジネスとして成り立っているわけで。

そうなんです。そこに正当性がなかろうが、あるいは無駄なものに見えようが、誰かがお金を出して買うならそれは商品として成り立っている。例えば我が家にある一番無駄なものって、amazonで買った水晶玉なんですけど(笑)。

はい(笑)。水晶玉をずっと見ていると、水晶玉の中に未来が見えてくるっていう話を聞いたので、試してみたくなったんですよ(笑)。まぁ、2回くらい見つめただけで、その後は部屋の隅に放置されているんですけど。

でしょう?(笑) だけど私は確かにお金を払って買ったわけだから、「商売」としては成立しているわけですよ。だから皆さん政治家のことをすごく叩いたりしますけど、純粋に「経済活動なんだ」と思えば、別に怒るほどのことでもないと思っちゃって。あなただってお金のために仕事しているでしょ? 政治家も同じですよって。

ふ〜む、確かにそうですね。そういえば僕らの仕事も、昔はよく「人の死で儲けるんか」なんて言われたもんです。そうは言っても僕らだって食べていかなあかんしな〜という話で(笑)。
対談している二人
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。