第99回 「社長のSNS利用」のススメ

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第99回 「社長のSNS利用」のススメ

安田

倉橋さんがXに力を入れ始めてもう長いですよね。SNSを通じての出会いも増えているんじゃないですか?


倉橋

そうですね。経営者仲間はもちろん、全然別の業種の方とも、一緒にご飯を食べたりなどの付き合いが出てきています。

安田

そうですよね。ちなみにリアルな付き合いで話の合う合わないってあると思うんですけど、SNSでもありますよね。


倉橋

確かにありますね。でもSNSでやり取りしている時とリアルで会った時の印象って、わりと地続きな感じがします。SNSでずっと怒ってる人が、リアルでは穏やかってことはあんまりないですよね(笑)。

安田

そう言われるとそうですね(笑)。私自身、面倒くさいタイプだと思うんですけど、SNSでも「めんどくさいこと言ってますよね」ってよく言われますから(笑)。


倉橋

そんなことないでしょう(笑)。でも安田さんのSNSの言葉は、実際のパーソナリティがよく反映されているとは思います。話の切り口とか、言い回しの丁寧さとか。感情的になっているところは見たことがないですし。

安田

ああ、そう言っていただけると嬉しいですね(笑)。自分でもわかりやすく説明しようと努力している部分はあるので。そう考えると、SNSとリアルの印象って、それなりに一致しているのかもしれませんね。


倉橋

そうそう。だから僕の投稿を見て、「なんか違うな」と感じたら、うちの会社を選ばない方がいいんだと思います。社長の発言が好きになれないなら、その会社に就職する必要はないですから。そういう意味で、フィルターとしてもすごく有効なんですよね。

安田

本当ですね。ただ最近は社長がXを始めるケースも増えましたけど、フォロワーを増やすことが目的になってしまってる人も多い気がして。炎上ネタで拡散を狙ったり、実物以上にすごい人だと演出したり。


倉橋

それは絶対にやってはいけないパターンでしょうね。フォロワー数にとらわれて「演じる」ことに重きを置くと、リアルとのギャップが出てしまう。そもそも「価値観に共感してくれる人と出会うため」に発信しているのに。

安田

そうですよね。ただ倉橋さんのように、演じなくてもフォロワーが増えて採用につながる人ばかりじゃないと思うんですよ。性格に難のある経営者が、採用がうまくいってないからとSNSを始めても、素をさらけ出してしまったら誰も来ないですよね(笑)。


倉橋

うーん、それは「経営者としての人間力」を上げることから先に取り組んだ方がいい気がしますね(笑)。

安田

なるほど(笑)。小手先の投稿じゃ、採用はできないってことですね。特に経営者の場合、自分の価値観に合う人とオンラインでつながることが重要ですよね。採用も集客も、自分が大事にしていることを発信して、それに共感した人が来るというのが理想なわけで。

倉橋

そうですそうです。営業活動であれ採用活動であれ、自分の価値観をストレートに伝えないと、うまくいかないでしょうね。

安田

ただね、コメンテーターのようにテレビに出て知名度を上げるのとは違って、SNSってもっと距離が近いじゃないですか。しっかりとビジョンを持ってる人にはSNSは合うけど、「採用がうまくいかないからとりあえずSNSをやっておこう」では成果は出にくいだろうなぁと。

倉橋

そう思います。ガワだけ取り繕っても意味がないというか。

安田

そうそう。やっぱり魅力のある人がやらないと、見てる側も惹かれない。社長といえどもそこは変わらないんですよね。

倉橋

人間力が問われる時代ですからね。マーケティングも採用も、結局は「この人と一緒に働きたい」「この人の会社の商品を買いたい」と思ってもらえるかどうかで決まる。

安田

逆に「この社長はなんかおかしいぞ」と思われたら、あっという間にそっぽを向かれてしまいますからね。…でもそう考えると、いい時代になったのかもしれません。昔って、実際にあってみるとひどい社長ってけっこういたじゃないですか(笑)。すごく横柄だったりして。

倉橋

そうですね(笑)。なかなかパンチの効いた方が多かったように思います。でもそういう人が経営者をやれる時代ではなくなったということなんでしょう。良くも悪くもネットに全部出てしまう時代ですから。

安田

情報がガラス張りですもんね。本人が言わなくても、周りがSNSに書き込むこともあるし。…つまりは人間力を高める努力が必要なわけですね。

倉橋

そう思いますね。自分もまだまだですけど、時代に合わせて人間性を磨いていかないといけないとは常々思っています。

安田

なるほどなぁ。倉橋さんが「同族経営をやらない」と決めて、それを発信してるのもすごく理にかなってるわけですね。それもいいことばかりを言うわけじゃなく、「転勤がある」とか「飲み会がある」とか、人によってはマイナスになることもしっかり伝えている。

倉橋

そうですね。それを見て「いいな」と思った人が集まってくれたら、それが一番いいので。

安田

同感です。社長の人間性で、会社の業績が決まる時代になったということですね。

 


対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

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株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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