地元国立大学を卒業後、父から引き継いだのは演歌が流れ日本人形が飾られたケーキ屋。そんなお店をいったいどのようにしてメディア取材の殺到する人気店へと変貌させたのかーー。株式会社モンテドールの代表取締役兼オーナーパティシエ・スギタマサユキさんの半生とお菓子作りにかける情熱を、安田佳生が深掘りします。
第80回 2,000円のハンバーガーは高いか安いか?

こだわりのブランド牛のすね肉を使ったパテとか、オリジナルバンズを使ったハンバーガー専門店ってあるじゃないですか。そういう「高級バーガー」の平均価格がついに2,000円を超えた、というニュースを先日目にしまして。

そうなんです。高級寿司と回転寿司があるように、ファストフードのハンバーガーと、職人が作る高級バーガーでは、全く別の食べ物だと考えるべきなんです。ちなみに、もしスギタさんがハンバーガー屋をやるなら、やっぱり高価格帯で勝負しますよね。

そうですよ。3,000円以上に価格を高めて最高の価値を提供するお店と、価格を維持するために質を落とさざるを得ないお店。どちらが生き残るかは明白ですよね。食の世界はますます二極化していくでしょう。

確かになぁ。そういえば先日、九州で娘と入れるお寿司屋さんを探していたら、もう高いところは1人4万円ぐらいするんですよね。以前、安田さんとも「2万円くらいは妥当ですよね」なんて話してましたけど、その倍となるとさすがに驚いてしまって(笑)。
対談している二人
スギタ マサユキ
株式会社モンテドール 代表取締役
1979年生まれ、広島県広島市出身。幼少期より「家業である洋菓子店を継ぐ!」と豪語していたが、一転して大学に進学することを決意。その後再び継ぐことを決め修行から戻って来るも、先代のケーキ屋を壊して新しくケーキ屋をつくってしまう。株式会社モンテドール代表取締役。現在は広島県広島市にて、洋菓子店「Harvest time 」、パン屋「sugita bakery」の二店舗を展開。オーナーパティシエとして、日々の製造や商品開発に奮闘中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。