AIがいかに進歩しようとも仕事は無くならないだろう。仕事とは人間という存在そのものだからである。人はアリやハチと同じ社会性動物である。どんなに優れていようと個体では生きていけないようにできている。そもそも個体ごとの差など微々たるものである。肉体も頭脳も性格もどんぐりの背比べだ。
どんぐりの背比べとはよく言ったものである。大きなどんぐり、小さなどんぐり、丸い、細長い、茶色い、赤っぽい、などなど、大きさも色も形も同じどんぐりは二つとない。だがどんぐり以外の他者から見れば「似たようなどんぐり」でしかない。人間も同じ。どれもこれも似たようなものだ。
もちろん人間はどんぐりとは違う。決定的に違うのは月までロケットを飛ばし、ネットで全人類を繋げてしまうほどの技術力だ。アリやハチも優れた社会性動物ではあるが火薬や羅針盤を生み出すことすら出来ない。なぜ人間だけがこれほど凄いことをやってのけるのか。それは役割分担のなせる技である。
似たような個体であるにも関わらず驚くほどの役割数が存在する。それが人間社会の特徴だ。似たような役割に見えても全く同じ役割は存在しない。80億もの個体が違った役割を組み合わせることでどんな不可能も可能にしてしまう。それが人間という生物の本質なのである。では役割とは何か。
言うまでもなくそれは仕事である。仕事には報酬(金銭)が伴わないものも含まれる。そもそも仕事と金銭は関係がない。目的はあくまで役割の細分化なのだ。それを加速するために金銭は存在しているだけ。金銭の登場以前から役割分担はあった。それが金銭によって加速したということに過ぎない。
AIがどんなに進化しようとも、ベーシックインカムがばら撒かれようとも、仕事は絶対に無くならない。なぜならそれが人間の本質だからである。人は集まれば必ず自分の役割を編み出していく。他人と自分を比較し、自分は何者なのか、何をすれば人の役に立つのかを考える。それが人間の宿命なのだ。
ただし会社は「人に役割を与える」という役割を終えるかもしれない。なぜなら会社の目的は利益を増やすことだから。雇わないほうが儲かるのなら会社は人を雇わなくなるだろう。多くの人は初心に立ち戻って自分の役割を探し求めることになる。人間は役割なく生きていくことなど出来ないのである。
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