第145回 「大人になった」のか「老けた」のか

この対談について

人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。

第145回 「大人になった」のか「老けた」のか

安田

実は最近、知り合いから「覇気がないね」と言われることがありまして。


藤原

へぇ。安田さんに覇気がないなんて、ちょっと意外ですけど。

安田

自分でもびっくりして、覇気って何だろうとあらためて調べたんです。そしたら「物事に積極的に取り組もうとする強い意気込み」とか「人の上に立とうとする強い意志」と書いてあって。


藤原

言葉の意味から調べるところが安田さんらしいですね(笑)。

安田

気になるとそのままにはしておけないもので(笑)。ともあれ、人の上に立ちたいとは思わないんですけど、物事に取り組む意欲はなくしたくないなと。


藤原

うーん、でも私が知っている安田さんは、いかにも情熱的というタイプではないけど、新しいことに取り組む意欲はずっと持ってらっしゃるイメージですよ?

安田

ありがとうございます。それを言われたのが食事の場ということもあったのかもしれません。実際、若い頃みたいにお酒をガンガンに飲んで盛り上がる感じじゃなくなって、相手の話を「はあはあ、ほうほう」と聞いているだけだったので。


藤原

なるほど。でもそれを覇気がないというのは、ちょっと違う気がしますけどね。安田さんは元々激しいテンションの方じゃないですし。でも考える内容といえば、日本人の年収の中央値を上げたいとか、チームの人たちを豊かにしたいとか、かなりチャレンジングなことじゃないですか。

安田

私もそう思ってたんですけどね。でもそういう頃の私も知っている人から「昔の方が覇気があった」と言われてしまって。


藤原

若い頃のような勢いも含めて覇気と定義するなら、さすがにもうそういう覇気はないのかもしれませんけど(笑)。でもそれは定義の問題じゃないですかね。

安田

でももうちょっと内側からみなぎるエネルギーがあってもいいよな、なんて思う部分もあって(笑)。だからこそ今日聞きたかったんです。藤原さんのメルマガに、二十歳上でも覇気が衰えていない方がいると書いてありましたよね。その方は見るからにエネルギッシュなタイプなんですか?


藤原

いや、出会ったその場では、特にエネルギッシュだなとは思わないタイプの方です。でも話を聞いていくと、事業承継の準備をしながらまだまだやりたいことがあると。

安田

そうなんですね。売却して悠々自適に暮らすこともできるのに、そんなことには興味がないと。


藤原

ええ。「お客さんや仲間の役に立つ自分でありたい」という意欲を持ち続けていらっしゃる。かっこいいなと素直に思いましたね。

安田

ああ、いいですね。社長業じゃなくても、仕事はしていきたいというところは私も同じです。藤原さん自身は、エネルギーを持ち続けるために意識していることってありますか?


藤原

それでいうと、やりたいことを常に「背伸びしても届かないくらいの高さ」に置いておくことですかね。例えば小さな話で言えば、読みたい本が一生かかっても読み切れないくらいあるとか。

安田

へぇ。読書だけでも一生分のリストがあるんですね。


藤原

そうなんです。それ以外にもやりたいことが山ほどある中で、死ぬまでにやりきれないことが思い浮かぶと、もっと進んでいきたいという意欲につながる気がします。

安田

到達できない目標を掲げるって大事ですよね。ついこの年になると、ちょっと頑張ったら届きそうな目標を設定しがちになっていく。昔はもっと無謀なことを考えていたんですよ。大阪城に住んでやろうとか(笑)。

藤原

最高ですね(笑)。安田さんで思い出すのは、「アマゾンの奥地に行っても世界で一番いい会社はワイキューブだって言われたい」と仰っていたことなんです。ああいうぶっ飛んだ目標を本気で考えている感覚の有無が、覇気に関係しているのかもしれませんね。

安田

確かに、そんなこと最近は考えなくなりましたね。自分では大人になったつもりだったのが、実はただ老けていただけだったのかもしれない(笑)。

藤原

笑。若い頃は元気に声を張り上げている人が覇気のある人だと思いがちですけどね。居酒屋で大声を出す朝礼をやる会社とかあったじゃないですか。ああいうのを覇気だと勘違いしていた時期が僕にもあって。でもそんなの真似しても自分のキャラには合わないし。

安田

覇気の定義もいろいろですよね。でも今日の話を聞いて、ちょっととんでもない目標を掲げてみようかなと思いました。覇気っていうのが、今の私にとって結構大きなテーマなんです。

藤原

ぜひ。アマゾンの奥地レベルの目標を楽しみにしています(笑)。


対談している二人

藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表

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1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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