第99回 発展途上国に学ぶ

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自覚して生きている人は少ないですが、人生には必ず終わりがやってきます。人生だけではありません。会社にも経営にも必ず終わりはやって来ます。でもそれは不幸なことではありません。不幸なのは終わりがないと信じていること。その結果、想定外の終わりがやって来て、予期せぬ不幸に襲われてしまうのです。どのような終わりを受け入れるのか。終わりに向き合っている人には青い出口が待っています。終わりに向き合えない人には赤い出口が待っています。人生も会社も経営も、終わりから逆算することが何よりも大切なのです。いろんな実例を踏まえながら、そのお話をさせていただきましょう。

7年前ドバイにいたときに、給料日になると、
フィリピンやインド、パキスタンの出稼ぎの人たちが、
自国の家族に送金するために
「ウエスタンユニオン」(海外送金の会社)に行列をしていました。

「ネットで送金すればよいのに」
と思いがちですが、どこの国でも銀行口座を持つためには、
住所や電話番号、現金や懲罰の履歴など信用情報が必要となります。
まだまだ銀行口座を持てない人は多いなと、思ったものです。
ウエスタンユニオンは銀行口座はなくとも、
送金番号を伝えれば受け取ることができるため行列になっていました。
現在は、海外送金手段も増えたので、
あの行列はなくなったのかもしれません。

一方、アフリカのウガンダでは一般の人が銀行口座を持つより先に、
携帯電話が普及したので、
携帯での決済システムが発達しました。
国内送金は個人間の携帯電話への送金で賄うことができます。
田舎の家族へは携帯で送金するのです。
モバイル送金が発達したおかげで、
会社からの支払い督促電話に対して、
かかってきた携帯電話に送金する人もいるため、
個人の携帯アカウントに現金が送金されてしまい、
トラブルの元になったりするのですが。

日本では国際送金も国内送金に関しても、
普通はそんなに苦労はありません。
銀行口座がある人にしか送金しないからです。
口座がある前提で社会システムが作られているのです。

いろんな国の人が集まるドバイでは、
受取人に銀行口座がないことも多く、銀行が機能しません。
ウガンダ国内では、信用を得るための術が確立していません。
そういうわけで、
信用がなくとも送金できる仕組みが生み出されたのです。
いや、現金とアカウントがあれば、
送金に対しては信用などいらないとわかったのです。

日本ではつい最近普及してきた、
マクドナルドのモバイルオーダーも、
スマホで呼べるタクシー配車システムも、
携帯電話でのモバイル送金も、
私が初めて体験したのは
モロッコやフィリピン、ウガンダでした。
日本では必要ないといえば、必要ないのですが、
発展途上国と言われる国だからこそ、
本当に必要なものに一直線で取り組みます。
やらない理由がないので、ビジネスアイデアも出てきます。
学ぶことはとても多いはずです。

ようやくコロナとも共存していく道がでてきたので、
国境を隔てるものもなくなってきました。
発展途上国から学ぶ機会も増えそうな予感がして、
とても楽しみにしています。

 

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- 著者自己紹介 -

人材会社、ソフトウェア会社、事業会社(トラック会社)と渡り歩き、営業、WEBマーケティング、商品開発と何でも屋さんとして働きました。独立後も、それぞれの会社の、新しい顧客を創り出す仕事をしています。
「自分が商売できないのに、人の商品が売れるはずがない。」と勝手に思い込んで、モロッコから美容オイルを商品化し販売しています。<https://aniajapan.com/>
売ったり買ったり、貸したり借りたり。所有者や利用者の「出口」と「入口」を繰り返して、商材を有効活用していく。そんな新規マーケットの創造をしていきたいと思っています。

出口にこだわるマーケター
松尾聡史

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