第131回 「不機嫌」は仕事ができないのと同じ?

この対談について

人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。

第131回 「不機嫌」は仕事ができないのと同じ?

安田

藤原さんのメルマガで「不機嫌でいることの罪」について書いていらっしゃいましたよね。人間だから不機嫌になることは誰でもあると思うんですけど、私はああいう人がすごく苦手で。


藤原

不機嫌を態度に出す人ですよね。自分を不機嫌にさせた相手にだけならまだしも、関係ない人にまでまき散らす人がいますからね。朝から不機嫌で、周りが気を遣わなきゃいけないような空気を作る人。

安田

そうそう。でもそういうタイプに限って仕事ができたりするんですよ。そういう人とどう付き合えばいいのか、ずっと悩んでいまして。


藤原

正解かどうかはわかりませんが、基本は距離を置くようにしています。仕事的にメリットがあっても、場の空気を壊すような人とは一緒にやらない方がいいと思っていて。

安田

それができればベストですよね。でも取引先でどうしても避けられない場合はどうするんです?


藤原

自分の中で受けるラインを決めておいて、うちと付き合うときにはそれを出さないでくれるなら仕事をしましょうと。案外そういう人って相手を選んで不機嫌を出しているので、こちらが線を引けばちゃんと使い分けてくれたりします。

安田

なるほどなぁ。私は前は組織のトップでしたから、不機嫌な人がいるくらいで取引を止めるわけにもいかなかったんですよね。社員に「あそことは付き合わない」なんて言えないですし、折り合いをつけながらやるしかなかった。


藤原

組織のトップだからこその悩みですよね。

安田

ええ。でも今は一人で仕事をしているので、不機嫌な人とは付き合わなくても生きていける。それが一人で働く最大のメリットかもしれませんね。


藤原

確かに。自分の収入と仕事をコントロールできれば、人間関係のストレスは大幅に減りますから。

安田

ただ上司が不機嫌をまき散らすタイプだったら逃げ場がないですよね。


藤原

確かに組織で働いていると、ストレスを抱えながらやるしかないという場面はどうしても出てきますよね。

安田

藤原さんの会社ではどうされているんですか? 不機嫌で仕事をするのはやめようねと明確に言うんですか。


藤原

ある程度は言っています。というのも私は「機嫌よくいることも仕事の一部だ」という定義をしていて。例えば営業で成績を上げている人だとしても、「俺は成績を上げてるんだから不機嫌でいても文句ないだろう」とはならない。職場の空気をよくすることも仕事なんです。

安田

なるほど。不機嫌でいること自体が、仕事をしていないのと同じだと。


藤原

ええ。とはいえ人間ですから、夫婦喧嘩の翌朝とか、どうしても持ち込んでしまうこともある。でも字が汚い人でも、何も考えず書くのと丁寧に書こうとするのとでは違いが出るじゃないですか。

安田

ああ、そうか。不機嫌も同じように「持ち込まないように努力している」という姿勢が見えれば全然違いますね。


藤原

そうなんです。努力が見えれば多少はみ出しても許容できる。大事なのはその姿勢だと思います。

安田

ちなみにプライベートだとどうですか? 職場なら転職や取引停止という手がありますけど、家族は簡単に縁を切れないじゃないですか。特に奥さんの機嫌が悪いと家の中の雰囲気が一変しますよね。奥さんに機嫌よくいてもらうことが円満な家庭の秘訣だという人もいて。

藤原

家族はずっと一緒にいますからね。不機嫌な瞬間は絶対に出てくる。仕事なら線を引けますけど、家庭ではお互いに歩み寄るしかないと思いますね。

安田

一緒にいる時間が長ければ長いほど、マイナスの部分もひっくるめて付き合わないといけないということなんでしょうね。仕事だったら「この人とはもう仕事しなくていいや」で済みますけど、家族はそうはいかない。

藤原

ええ。マイナス部分も含めて愛せるかどうかがポイントですよね。不機嫌だけじゃなく、人間には必ずマイナスの部分がある。付き合いが濃くなるほどそこが見えてくる。仕事と家庭ではやっぱり関係性の深さが違いますから。

安田

なるほどなぁ。ちなみに採用のときにはその辺は重視するんですか? 感情が安定しているかどうかとか。

藤原

かなり重視しますね。価値観や何を大切にしているのかを掘り下げていくと、ある程度はわかるので。完璧ではないですが、フィルタリングにはなります。

安田

いつもニコニコしているけど仕事ができない人と、しょっちゅう不機嫌になるけど仕事はできる人。経営者としてどちらを選ぶかと言われたら、悩みそうですけどね(笑)。

藤原

確かに(笑)。まぁそこは「仕事ができる」の定義を掘り下げることになるでしょうね。うちでも過去に、お客さんには評価されているけど社内で問題がある人に対して、改善できないなら一緒には働けないと伝えたことがあります。

安田

ふ〜む。結局、仕事ができるけどいつも不機嫌な人は、だんだんと居場所がなくなっていく時代なんでしょうね。

藤原

「仕事ができる」の定義自体が変わってきているんだと思います。成績を上げるだけでなく、周囲の空気を良くすることも含めて仕事ができるかどうか。そこが問われる時代になっていくんだと思いますね。

 


対談している二人

藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表

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1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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